ビッグプロジェクトだけに金もかかる……。
神戸港に橋を架ける「大阪湾岸道路西伸部」事業費めちゃ高に
国土交通省 近畿地方整備局と阪神高速道路は2024年12月2日、「第2回 大阪湾岸道路西伸部事業連絡調整会議」を開催。阪神高速5号湾岸線を神戸市内で延伸する同事業について、進捗などが共有されました。
湾岸線は現在、神戸市東灘区の六甲アイランドで途切れています。ここからポートアイランドを通り、長田区の駒栄までを結ぶのが「大阪湾岸道路西伸部」事業です。六甲アイランドとポートアイランドのあいだに架かる「世界最大級の斜張橋」など、神戸のランドマークともなり得る道路を建設するビッグプロジェクトです。
今回、事業費が「+約1740億円」と、かなり増額となる見込みであることが共有されました。総額では5000億円から6740億円となり、約35%もアップする予定だそうです。
内訳は「六甲アイランド、新港・灘浜航路部基礎工の資機材費及び労務費」で816億円、「地質調査を踏まえた橋梁構造の見直し」で328億円、「橋梁形式の変更に伴う基礎の見直し」で637億円、それぞれ増額となります。
これを受け路肩の幅員見直しや箱桁の構造見直しといったコスト縮減案が示されたものの、削減額は約41億円に留まります。
これまでは既存区間との連続性を考慮し、路肩幅を1.75mで計画していましたが、これを1.25mに見直し、コストを縮減するといいます。さらに今後は、海上長大橋(新港・灘浜航路部)のケーブルに対する新材料の採用、床版(舗装が載る道路の床板部分)形式の見直しのほか、6車線の計画を暫定4車線とすることも含めてコスト縮減策を検討するとしています。
神戸市からは、「早期全線開通を図るため、有料事業の拡充や、暫定4車線化を含めたあらゆるコスト縮減検討を速やかに行っていただき、ポートアイランド以西の工事にも着手していただきたい」といった意見が出ています。有料道路事業を活用することで財源を確保していますが、「更に有料事業を拡大するのであれば、料金見
直しなども含め、今後検討する必要」があるなどとされています。
ちなみに、今回の事業費増額は、設計が進んだ海上部長大橋(新港・灘浜航路部)基礎工や、六甲アイランド陸上部の高架橋のみについて判明したことです。今後さらに、ポートアイランド内や神戸西航路部の長大橋、和田岬地区などの調査設計が進められます。