艦名には「苦難や試練に耐え、乗り越えていく」との想いが。
領海警備や海上犯罪の取り締まり、海難救助にもマルチに対応
山口県下関市にある三菱重工の下関造船所 江浦工場において2024年12月3日、海上保安庁向けの新たなヘリコプター搭載型巡視船が進水し、「かんばい」と命名されました。
船名の由来は、冬の季語「寒梅(かんばい)」で、「雪に耐えて梅花麗し」という言葉のとおり、国民の笑顔のために苦難や試練にじっと耐え、乗り越えていくとの思いが込められているそうです。
「かんばい」は海上保安庁が運用している、しゅんこう型巡視船の4番船で、全長約140m、全幅約16.5m、総トン数は約6000トンと海上保安庁最大級の巡視船になります。
速力は25ノット(約46km/h)以上、主要装備として遠隔放水銃や停船命令等表示装置、40mm単装機銃や20mm多銃身機銃などを搭載するほか、「スーパーピューマ225」型クラスの中型ヘリコプターを2機運用できる格納庫や飛行甲板などを備えているのが特徴です。
同船は今後、船体・機関・電気・武器などの艤装工事を実施したのち、2026年度中に竣工し、海上保安庁へ引き渡される予定で、就役後は尖閣諸島における海上警備のほか、海上犯罪の取り締まり、海難救助などといった海上保安業務に従事する予定です。