日本全国で高速バスを運行しているウィラーエクスプレスが、横になることができる「フルフラットシート」の導入に意欲を示しました。
国交省のガイドラインを踏まえ検討へ
日本全国で高速バスを運行しているウィラーエクスプレスは2024年12月11日(水)、東京都江東区の東京営業所で戦略説明会を開き、横になることができる「フルフラットシート」の導入を目指す方針を明らかにしました。
今回の動きは、国土交通省が2024年11月19日に公表した「フルフラット座席を備える高速バスの安全性に関するガイドライン」を踏まえたもの。このガイドラインには、走行中のフルフラット座席の安全性を確保すべく、衝突試験結果を踏まえた安全対策が盛り込まれました。
ガイドラインでは、衝突時に乗客の頭や首を守る観点から、座席を前向きに設置することを明記。足元部分は転落防止プレートや衝撃吸収部材などで覆い、頭部と側面部分は保護部材を設けたりすることなども定められています。さらに、車両がひっくり返った時に座席から放り出されないよう、腰骨部を拘束する2点式ベルトを備えることも必要としています。
戦略説明会に登壇した同社の平山幸司社長は、「まだガイドラインが公表されたばかりのため、これから具体的に検討を進めていく段階」としたうえで、「我々としてもフルフラット座席にチャレンジしないわけにはいかない。利用者のバスに対する価値観を変えるようなものを生み出していきたい。例えばベトナムで走っているカプセルホテルのような寝台バスをつくりたい」と意欲を示しました。
ちなみに、ウィラーエクスプレスにはかつて、プライベート空間が確保された2列独立シート「コクーン」がありましたが、車両の老朽化および安全面の観点から現在は全廃されています。
※一部修正しました(12月12日13時00分)。