交通違反の反則金を納付せず、再三の呼び出しにも応じない容疑者に対して、警視庁が実施した追跡調査で多数の逮捕者が報告されました。反則金制度で処理しておけば少額ですんだ違反が、思わぬ大事になった人もいるようです。
1か月で「295人」逮捕しました
交通違反の多くは反則金で処理することができます。違反者と司法の双方の負担を軽減することで迅速な処理を進めることが目的です。ただ、反則金には納付期限があり、原則は「交通反則告知書」を受け取ってから8日以内です。
期限切れとなった場合、反則金の納付期限とは別に設定された指定出頭日に、交通反則センターなど出頭して、再び反則金制度を使うことができます。しかし、指定出頭日に出頭せず、さらに、その後の郵便などによる再三の呼び出しにも応じない場合、長期未出頭事件の対象になります。
こうした長期未出頭事件について、警視庁は2024年11月1日~30日までの1か月間、追跡捜査の強化推進を行い、295人を逮捕したと公表しました。
そもそもは反則金で処理された違反ですから、逮捕容疑は重いものではありません。「速度超過」「通行禁止」「指定場所一時不停止」「信号無視」「携帯電話使用」「進路変更禁止」「指定通行区分」などが主な違反です。
指定通行区分を例にとると、反則金は普通車で9000円。しかし、事件化して逮捕状が執行されると、こんな軽い交通違反でも強制的な同行を求められることになります。
さらに、295人の逮捕歴では気になることもわかりました。過去に交通違反で逮捕され、この11月の追跡調査強化推進で再び逮捕された複数の逮捕歴者が42人、約14%含まれていました。
・2回目:33人
・3回目:6人
・4回目:3人
交通違反の反則金は指定期日までに納付することができなくても、再度、納付期日を設定してもらうことができます。