2024年11月、大手バイクメーカーのスズキとカワサキが、モタード系バイクの新モデルを相次いで発表しました。ただ、そもそも「モタード」って何なのでしょうか。じつは街乗り最速、整地と不整地の双方で楽しめるバイクです。
「モタード」ってどんなバイク?
2024年11月、大手バイクメーカーのスズキとカワサキ、双方からモタード系バイクの新モデルが相次いで発表されました。
モタードとは、簡単に言うとオンロードバイクのタイヤを履いたオフロードバイクのことです。軽量でスリムな車体にパワフルなエンジンを搭載しているため、優れた加速力と高い小回り性を兼ね備えており、キビキビとした走りから「街中最速バイク」ともいわれています。
加えて、前述した構造ゆえにオフロードもオンロードも走ることができ、またベースがオフロードバイクなので転倒にも強いという特徴があります。こうした特性から海外では人気の高いジャンルで、モタードの専用レースも開催されています。
モタードのルーツは、アメリカで1970年代に開催された「スーパーバイカーズ」と呼ばれたレースです。ロードレース、モトクロス、ダートトラックなどのトップレーサーが同じコースを走り最速を競ったもので、これがヨーロッパに渡りフランスを中心に人気となったので、フランス語読みの「スーパーモタード」の名称で呼ばれるようになりました。現在では世界選手権も開催され、「スーパーモト」と呼ばれるようになっており、日本でも選手権が行われています。
スズキとカワサキ、それぞれの特徴
このたびスズキが発表したのは「DR-Z4SM」。これは、イタリア・ミラノで開催された「EICMA 2024(ミラノショー)」においてスズキが発表したモデルで、前後に17インチホイールを採用した本格的なモタードモデルとなっています。
排ガス規制で販売終了した「DR-Z400SM」の新モデルで、398cc水冷単気筒エンジンを採用し、ヨーロッパの二輪車排ガス規制「ユーロ5+」をはじめ、各国の排ガス基準や騒音規制にも対応しています。2025年5月より北米・ヨーロッパを中心に各国で順次発売予定で、日本での発売は未定となっていますが、おそらく導入されるでしょう。
一方、カワサキが発表した「KLX230SM」は、前モデルが排ガス規制で国内のラインナップから外れて以来の復活となります。スズキの「DR-Z4SM」と同様に、前後に17インチホイールを採用した本格的なモタードモデルで、エンジンは232cc空冷単気筒エンジンを採用しています。
前出のスズキ「DR-Z4SM」のシート高890mmに比べて、840mmと比較的に低めになっており、排気量も相まって乗りやすい、扱いやすい仕様になっているのが特徴です。こちらは2025年1月13日に日本で発売する予定です。
かつては、各社それぞれモタードモデルが充実していましたが、最近ではすっかり影を潜めてしまった感がありました。それゆえに、今回の復活を待ちわびていたファンは多いのではないでしょうか。
モタード以外にも各社、それぞれ新型のオフロードバイクを発表していることから、2025年はモタードとオフロードモデルに要注目です。