「日本一の客室数を有するホテルチェーン」といわれる「東横INN」。同ホテルは日本から遠く離れたドイツにも存在します。日本人がドイツを旅行する際、「ドイツの東横INN」は、宿泊先として”最高の選択肢のひとつ”かもしれません。
9000円ちょいで「湯船あるホテル」に泊まれる
1都1道2府42県に店舗を構え、「日本一の客室数を有するホテルチェーン」といわれる「東横INN」。同ホテルは日本から遠く離れた欧州・ドイツにも存在します。日本人がドイツを旅行者する際、実は「ドイツの東横INN」は、宿泊先を選ぶうえで”最高の選択肢のひとつ”になるかもしれません。
ドイツの東横INNがあるのは、金融都市としても知られるフランクフルトです。この都市の拠点駅で、ドイツ有数の利用者数を誇るフランクフルト中央駅のすぐ近くに、東横INNフランクフルト店が存在します。筆者(松 稔生:航空ライター)は今年秋にここを訪れてみました。
ちなみに、その日の宿泊代金は税込みで55.77ユーロ(1ユーロ161.8円換算で約9023円)で、価格はかなりリーズナブルに抑えられています。
ホテルはロゴ文字が英語表記であるだけで、建物の外観などはまさに東横INNそのものです。ヨーロッパらしい町並みに、見慣れた2種類のブラウンが配色された建物が並ぶ光景は、日本人旅行者であれば、かなりのギャップを感じるでしょう。
東横INNの公式サイトによると「日本とほとんど変わらない仕様ですので、安心してご利用いただけます」とのこと。フロントでの対応は当然ながら外国人スタッフでしたが、日本語はペラペラで、ストレスなしで意思疎通でき、日本の東横INNとほとんど変わらない流れでチェックインできました(チェックアウト時は英語対応でした)。
チェックインを完了させ、部屋に入ります。室内はまさに日本の東横INNと見紛うほどの作りです。とくにバスルームはかなり「日本人好み」で、温水洗浄便座が設置され、ヨーロッパのこの価格帯のホテルにはめったにない、バスタブまであります。もちろん、筆者はさっそく湯船につかりました。
ただ、日本と換気システムが異なるため、「必ず換気扇をもっとも強いモードにし、浴室のドアをしっかり閉めて入浴するように」という注意書きが目に入ります。もし浴室の蒸気で火災報知器が反応し、消防車が来てしまった場合、数100ユーロを支払わなければいけないので、その点は注意が必要でしょう。
「ヨーロッパのご飯辛い…」に救いの手ありすぎた!
そして東横INNフランクフルト店では、なんと日本食を食べることができます。夕食メニューとして19ユーロ(3072円)で食べられるのは、ご飯に加えうどんもセットになった「しゃぶしゃぶ」です。
また同ホテルでは「朝食無料」をセールスポイントのひとつとしていますが、フランクフルト店でもこれは健在です。
メニューはソーセージやスクランブルエッグ、サラダやパンのほか、味噌汁や白飯などをビュッフェ形式で楽しめます。味噌汁はいわゆる”ほぼ具なし”仕様ではあるものの、ヨーロッパのパンだらけの食事があまり口に合わない筆者にとっては、この朝食が今回の欧州出張で「もっともおいしかった食べ物」のひとつでした。
この東横INNフランクフルト店は、日本の食事もでき、湯船に入れ、冷たい便座に座る必要もないながら、同エリアのほかのホテルと比べても「日本っぽい朝食バイキング込み」でかなり低く宿泊料が抑えられる――。そういう意味では、ヨーロッパ滞在がある程度の長期間にわたり「日本ロス」となったときに、非常に強い味方となる存在かもしれません。
それを現しているのか、朝食時には非常に多くの日本人を見かけたのが印象的でした。