バルト海を飛行中、ずっと監視され続けるロシア機。
不審なTu-22M爆撃機が飛来しスクランブル
スウェーデン国防省は2024年12月17日、バルト海上空に現れたロシアのTu-22M爆撃機2機とその護衛であるSu-27戦闘機2機を追跡するため、JAS-39「グリペン」を緊急発進(スクランブル)させたと発表しました。
この防空任務では、まずフィンランド湾に現れたロシア機編隊をフィンランド空軍のF/A-18「ホーネット」が追跡。その後バルト海に入ると、北大西洋条約機構(NATO)の任務でエストニアに駐留していたオランダ空軍のF-35Aがその任を継続し、さらにその任務をゴットランド島東方の国際空域に入った段階で、スウェーデン空軍が引き継ぐという、NATO加盟国によるリレー形式での警戒飛行を行ったとのことです。
こうした細かい連携は、2023年4月にフィンランド、2024年3月にスウェーデンがNATOに加盟したことで可能になりました。
NATOによると、12月に入ってからトランスポンダーの電源を切った状態で飛行するなど、国際航空規則に違反したロシア機に対する緊急発進の回数が増えているとのことで、12月8日から14日にかけては計7回の出撃があったとのことです。
さらに16日、ロシアのアンドレイ・ベローソフ国防相が「後10年の間に欧州でNATOとの軍事衝突が起きる可能性があり、我々はそれに備えなければならない」と発言したことをきっかけに、NATOの警戒はさらに高まっており、今回のTu-22M爆撃機の監視は、そうした最中で発生したものでした。