JR九州は2024年12月23日、子会社のJR九州高速船について、船舶事業からの撤退を取締役会で決議したと発表しました。
船体を完全には直せない→事業撤退
JR九州は2024年12月23日、子会社のJR九州高速船について、船舶事業からの撤退を取締役会で決議したと発表しました。
同社は日韓航路で使用する「クイーンビートル」の浸水を隠して運航していたことが発覚し、8月から運休していました。国土交通省が安全確保命令と安全統括管理者の解任命令を出すなどしていました。
JR九州とJR九州高速船は、クイーンビートルの運航再開に向け、安全管理体制の見直しとともに船体のハード対策を検討していたものの、船体へのクラック(ひび割れ)発生のリスクを完全に払拭することができず、運航再開のための確実な安全が担保できないと判断したといいます。
JR九州高速船については、船舶事業からの撤退、事業廃止、その後の捜査の対応等が全て完了後、会社を清算する予定だということです。
クイーンビートルは2020年に導入されるも、コロナ禍のなかで満足な運航ができない状態が続きました。2022年11月から、既存のジェットフォイルの「ビートル」3隻を引退させたうえで、日韓航路の運用を再開しましたが、2023年以降、船体のクラック問題で検査違反なども発覚し、しばしば欠航していました。
誕生から4年しか経っていないクイーンビートルの処遇について、JR九州は「まだ決まっていない」といいます。今後の取扱いについて、リース元と協議をしていくということです。