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「悲願の鉄道延伸&新駅」実現なるか? さいたまの“鉄道ない田園地帯”に大変化の兆し 開発規模拡大を検討へ

乗りものニュース 2024年12月26日 7時12分

さいたま市は、埼玉高速鉄道の岩槻延伸に向けて、浦和美園~岩槻間に設ける中間駅周辺の開発規模拡大を検討します。民間事業者のヒアリング結果などを踏まえ、開発規模を拡大することで、延伸の事業性を高めたい考えです。

埼玉高速鉄道「中間駅」周辺の開発規模拡大を検討へ

 さいたま市は、埼玉高速鉄道の岩槻延伸に向けて、浦和美園~岩槻間に設ける中間駅周辺の開発規模拡大を検討します。近年の類似する駅周辺開発や、民間事業者のヒアリング結果などを踏まえ、開発規模を拡大することで、延伸の事業性を高めたい考えです。

 延伸区間となる浦和美園~岩槻は約7.2kmで、途中に「埼玉スタジアム駅」と「中間駅」を新設することが想定されています。

 さいたま市はJR京浜東北線に沿って主要市街地が広がりますが、東部エリアは鉄道空白地帯ということもあり、開発があまり進んでいません。ただ、埼玉高速鉄道の現在の終点となっている浦和美園駅がある緑区は人口が増加傾向にあります。

 岩槻との中間駅周辺は現在、緑地や農地が広がる市街化調整区域となっています。付近には「目白大学さいたま岩槻キャンパス」があるほか、西側には国道122号と東北自動車道が通っており、岩槻ICまでは約3.5kmの場所です。

 延伸事業をめぐっては、市が2023年度中に埼玉高速鉄道に対して事業実施要請を行う予定でしたが、建設費が当初の見込みより大きく増加したことなどを受け、断念しています。今後は鉄道・運輸機構や埼玉高速鉄道の技術支援を受け、早期実現を目指すとしています。

民間事業者「住宅地としてのポテンシャル高い」

 2023年3月に市が策定した中間駅周辺のまちづくり方針によると、駅周辺を「集合住宅エリア」「商業エリア」「戸建てエリア」「産業エリア」「公園」などに分けて整備し、定住人口およそ4000人程度、開発規模は45~65ha規模とすることを想定していました。ただ市は、まちづくりの規模の見直しを検討しています。

 中間駅周辺の開発規模(土地区画整理事業)が、浦和美園駅や八千代中央駅(千葉県)、みらい平駅(茨城県)、吉川美南駅(吉川市)といった、近年の類似する駅周辺開発より小さいとの指摘があります。コロナ禍や都心部の地価高騰なども踏まえ、まちづくりの規模を見直す必要があるとしています。

 また、市が実施した民間事業者へのヒアリングでは、デベロッパーなどから「住宅地としてのポテンシャルが高く、開発規模を拡大すべき」といった声があがったとのこと。商業施設事業者からは「まちの規模や採算性を考慮すると、周辺人口1万人以上が理想」「道路ネットワークの強化が必要」という声が寄せられたとしています。

 周辺地域を対象に開催されている、まちづくりワークショップや勉強会でも「駅からの距離を考慮し、施行区域を拡大した方が良い」「生活の利便性が向上するような商業施設が必要」という意見があがったそうです。

 開発規模を拡大した場合、基盤整備のコストが増えるものの、税収や経済波及効果が増加し、鉄道とまちづくりの相乗効果が高まるとしています。鉄道利用者が増えれば、延伸の事業性が高まり、鉄道施設への投資可能額も増えるというわけです。

 市は今後、中間駅周辺での区画整理事業について、2025年度以降に基本設計や事業計画の作成に入るスケジュールを想定しています。

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