既存のRC-2とは異なるようで。
スタンド・オフ電子戦機の調達数は4機の予定
防衛省が、2024年11月12日開催の「防衛装備庁技術シンポジウム2024」で用いた研究報告関連の資料をこのたびアーカイブ公開し、現在開発中のスタンド・オフ電子戦機(Stand Off Jammer:SOJ)の新たな画像を明らかにしました。
スタンド・オフ電子戦機は、強力な電波妨害によって敵のレーダー施設などを無力化し、自衛隊が実施する様々な航空作戦の遂行を支援する機体です。航空自衛隊は現在、EC-1やYS-11EAといった輸送機をベースにした電子戦機を訓練用として保有しています。
これらの機体にはコブのようなアンテナフェアリング(覆い)が複数あり、EC-1は機首にも装着されているため、カモノハシのような異様な見た目が特徴となっています。電子戦機は埼玉県の入間基地を拠点に活動していますが、秘匿性が高く、機体や任務については一切公表されていません。
防衛省は、2023年度予算にC-2輸送機をベースとしたスタンド・オフ電子戦機の開発費として83億円を計上しています。公表されたイメージ図は、機首にアンテナフェアリングが取り付けられ、EC-1と同様の外観になるようです。すでに2020年度から各種装置の試作が始まっており、今後導入に向けた準備が本格化していくとみられます。
すでに航空自衛隊には、電波情報の収集を目的としたRC-2が配備されています。同機もC-2輸送機をベースにした派生型ですが、スタンド・オフ電子戦機はそれとは似て非なる機体になります。
防衛省では、スタンド・オフ電子戦機を4機調達する計画で、配備先は岐阜基地になる予定です。そのため、同基地にはそれらを一括運用する専門の飛行隊が新編されると考えられます。