戦車は分厚い装甲に護られている半面、視界は悪い。
「戦車が穴に落ちる瞬間」をドローンが上空から捉える
ウクライナ国防省は2025年1月5日、戦闘中のロシア軍の戦車が、巨大な穴にはまって擱座(かくざ)する瞬間を捉えた映像を公開しました。
映像では、ロシア戦車が進路の前方にあった穴に落ち、攻撃を受ける様子をドローンが上空から捉えています。戦車は分厚い装甲に護られている半面、視界は悪く、こうした障害物に気づくのは自動車などよりも困難が伴います。擱座した戦車は、砲塔にケージや網などを付けており、ドローン対策を施していたことが確認できます。
ウクライナの前線では、この映像のように、戦車や装甲車が動けなくなったところで、FPVドローンなどの集中攻撃を受けて撃破されるケースが多く確認されています。
イギリス国防省は2024年12月、ロシア軍がウクライナに全面侵攻を開始した2022年2月以降、3600両以上の主力戦車と約8000両の装甲車を喪失したと推定しています。また、ロシアが備蓄してきた旧ソ連時代の旧式戦車が枯渇しつつあるとも指摘しています。
ロシア軍は現在、ウクライナ東部ドネツク州での攻勢に注力しており、小都市のクラホヴェを制圧したほか、交通の要衝であるポクロウシク周辺でもジリジリと前進している模様です。ただ、割に合わない膨大な損害を出しており、損害を顧みない戦術をいつまで続けられるのかが注目されています。
【映像】ロシア軍の戦車が「巨大な穴」に落ちる瞬間