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「あなた自身が財布です」 東武の画期的“手ぶら”決済サービスを体験 まもなく列車にも導入へ!

乗りものニュース 2025年1月16日 10時42分

東武鉄道が生体認証を用いた決済サービス「SAKULaLa」を越谷・川越エリアで開始。新越谷駅周辺の店舗で、指静脈認証を用いた「手ぶらで買い物ができる便利さ」を実感できました。

一度登録さえしてしまえば自身が財布代わりに

 東武鉄道は2025年1月15日(水)より、生体認証を用いた決済サービス「SAKULaLa(サクララ)」を、埼玉県の越谷と川越の両エリアで開始しました。「SAKULaLa」は日立製作所と共同開発したもので、指静脈認証を用いています。

 あらかじめ氏名などの個人情報やクレジットカード番号、生体情報を紐づけることで、“手ぶら”で買い物することが可能に。15日は新越谷駅(越谷市)周辺の店舗で、「SAKULaLa」の利用シーンが報道陣へ公開されました。

 決済はいたって簡単です。支払いの際に決済方法の中から「SAKULaLa」を選択し、専用端末へ指をかざし認証されたら、登録済みの電話番号の下4桁を入力するだけ。従来の支払いのように、財布からカード類を出す必要もなければ、スマートフォンなどをポケットから取り出しアプリを起動する手間もありません。

 新越谷駅の北側にある「海鮮問屋 孝進丸」も、「SAKULaLa」を使える店のひとつ。店長の杉本祐紀さんは導入の理由を「今後、生体認証が主流になると見込んで(導入を)決めました。画期的だと思います」としています。

 そのうえで、不正利用がないことと、忘れ物がなくなることをメリットとして挙げました。居酒屋としてお酒も提供する業態から、酔って“出来上がった”来店者が、カードなどを忘れて帰ることもあるそうです。しかし「SAKULaLa」なら忘れ物のしようがないということで、期待していると話します。

鉄道での利用シーンは?

 駅の南側にある「担々麺 侘寂美」も「SAKULaLa」導入店のひとつです。店長の大澤和也さんは、「初めて説明を受けた時は難しそうと思いましたが、いざ使ってみて『え、こんなに簡単なんだ』と思ったのが率直な感想です」と話しました。そして「どんどん普及していくと思いますよ」と続けます。

 大澤さんによると、担々麺 侘寂美を利用する客のうち現金払いするのは3~4割とのこと。現金だと、数えてお釣りを渡すという手間と時間がかかってしまうものの、「SAKULaLa」なら短時間かつ正確に決済できる点が魅力だといいます。また店としても、時代の変化にあわせ新しいものを取り入れようというのがポリシーでもあるそうです。

 15日から「SAKULaLa」を利用できる越谷エリアの店舗は計11店です。南越谷商店会会長の関森初義さんは、「SAKULaLa」導入にあたり店舗からの反対意見はなかったと話します。「ニーズよりもビジョンということで将来を見据えて、不安感をいかに払拭するかを考え、越谷で導入することが、すそ野を広げるトリガーとなれば」としています。

「SAKULaLa」は現状、飲食や物販での利用に限られます。今後の導入予定、特に鉄道における利用シーンの拡大について東武鉄道の経営企画本部 鈴東祐介課長は、「2025年度にも、東上線の座席指定列車『TJライナー』への導入を考えています」と話します。

 そのほかの列車については、「他社線との乗り入れの兼ね合いから調整が必要となるため、まだ検討段階にある」としたうえで、「特急『スペーシアX』など自社線で完結する列車については、『TJライナー』の反響や成果を見て決めていきたい」としています。

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