Infoseek 楽天

「静岡最南端-新東名」直結のスゴさ 全線開通する「金谷御前崎連絡道路」が超便利だった! 伸びしろまだまだ!?

乗りものニュース 2025年2月12日 12時12分

静岡県が整備を進めてきた「金谷御前崎連絡道路」の最終区間がまもなく開通します。新東名をはじめとする県内の東西幹線から、やや離れた静岡最南端の地へ通じる南北の高規格道路。移動が劇的に改善されそうです。

爽快! 茶畑を高架橋で突っ切る「金谷御前崎連絡道路」

 静岡県が整備を進めてきた地域高規格道路「金谷御前崎連絡道路」の最終区間3.3kmが、2025年3月29日(土)に開通します。最初の事業化から38年を経て、約25kmの金谷御前崎連絡道路が概成し、地域の南北移動が劇的に改善しそうです。

 金谷御前崎連絡道路はその名の通り、新東名や国道1号が通る島田市金谷と、静岡最南端の地がある御前崎港をつなぎます。新東名高速、国道1号バイパス、東名高速という県内3大東西軸から、やや離れた御前崎へ連絡する“南北軸”です。

 路線としての終点は、太平洋に突き出た御前崎の半島部の根本を横切る国道150号ですが、そこから大きな臨港道路で御前崎港まで直結しています。東京-大阪のど真ん中に位置する「重要港湾」として整備された御前崎港のインフラの充実度を感じさせるものがあります。

 さて、国道150号に接する地頭方IC(牧之原市)から、金谷御前崎連絡道路を北上してみました。

 この道路は、茶畑が広がる牧之原台地を突っ切るように北へ延びます。暫定2車線ですが、拡幅の余地は存分にある規格の高さで、しばらく信号もありません。

 ただ途中、東名の相良牧之原ICに接続する牧之原ICの前後だけは開通が早かったためか、“街なかの道路”の雰囲気となり、信号に出くわします。ずっとノンストップで走れると思っていると、ちょっと危険な感じもしました。

 その後は再び高規格の自動車専用道の趣となり、牧之原台地を横切っている東海道新幹線のトンネルの上を、高架橋でまたぎます。高度はかなり高く、爽快な眺めです。

 そうしているうちに現在の終点、倉沢IC(菊川市)へ到着。ここでは東へ延びる、これまた快適な静岡空港のアクセス道路に直結していますが、さらに北上して金谷を目指すには、ここから国道473号の現道を使わなくてはなりません。

 この国道473号の現道は狭く、JR金谷駅の裏手に拡がる段丘から平地への勾配を緩和するため大回りするような線形となっていて、走りづらさは否めません。金谷の市街地も信号が多く混雑しがちです。

 その苦労も、3月29日まででオサラバです。

延伸開通で国道1号バイパスへ接続!さらに「新東名」へ

 3月29日、倉沢ICから国道1号バイパス「菊川IC」までの3.3kmが開通します。金谷の市街地を経由することなく国道1号バイパスに直結できるようになり、移動は段違いに快適になることでしょう。

 さらに今回の開通で、金谷御前崎連絡道路は新東名とも連絡を果たします。菊川ICからさらに国道1号バイパスを東へ1区間進み、大代ICから国道473号の現道を1kmほど北上すれば、新東名の島田金谷ICに着きます。

 国道1号バイパスは今回の開通にあわせ、ボトルネックとなっていた大代ICから東の「新大井川橋」前後が3月7日に4車線化されます。

 しかし、大井川西岸の菊川IC-大代IC間は暫定2車線のまま残されます。また、大代ICからの国道473号現道も普通の2車線国道で、静岡県が拡幅を進めているものの、まだまだ時間がかかりそうです。

 国道1号バイパスの菊川IC-大代IC間については、トンネルが2本あり、4車線化にはコストの壁が立ちふさがっています。国土交通省は「金谷御前崎連絡道路の開通後の状況を見て(4車線化工事を)判断する」(浜松河川国道事務所)というスタンスをとります。

 そもそも実は、金谷御前崎連絡道路の国道1号バイパスー新東名間も、構想としては存在するのですが、具体化に至っていません。今回は「なんとか新東名までつながる」というのが実際のところでしょう。

 静岡県は金谷御前崎連絡道路の今回の開通について「陸・海・空のネットワークが形成される」とアピールしています。SNSではサーフィンなどの海のレジャーの利便性向上に期待する声も。

 県によると、御前崎港の主な取扱い貨物は現在、完成自動車と自動車部品がメインで、輸出する自動車の積出港としての側面があります。一方、コンテナ貨物については2023年をもってRORO航路が休止となり、前年比で12.9%減になるなどしています。また静岡空港の搭乗者数も、コロナでの急減から徐々に回復し、2023年度に約51万人となったものの、コロナ前の約74万人には至っていません。

 金谷御前崎連絡道路が接続する国道1号バイパスから新東名までの暫定的な部分の改良は、まさにこれからの陸(地域産業)、海(御前崎港)、空(静岡空港)の発展にかかっていそうです。

この記事の関連ニュース