広島県呉市に、思わず2度見してしまうようなデザインの「道路標識」が存在します。「1回転半渦を巻いた矢印」の標識の下に、「2回転半」の文字が書かれた看板が掲げられているというものです。今回、実際にこの道を走ってみました。
まさに「一石二鳥」! 国内初スタイルの「ぐるぐる橋」
広島県呉市に、思わず2度見してしまうようなデザインの道路標識が存在します。「1回転半渦を巻いた矢印」の警戒標識の下に、「2回転半」の文字が書かれた看板が掲げられているというものです。今回、実際にこの道を走ってみました。
この標識は、呉市音戸町から「音戸大橋」へと至るループ橋(螺旋式高架橋)の始点にあります。音戸大橋は1961年に完成した橋で、長さ172m、桁下高23.5mの大きさを持ちます。広島県の公式サイトによると、我が国では初めてとなる「2層半螺旋型高架橋」(フィギュアスケートで例えれば「ダブルアクセル」)になる道だそうです。
ループ橋となったのは、橋の下を排水量1000トン級の船舶が通れるよう、高さを確保する必要があったからだとか。もし直線スロープ式取付道路にしてしまうと道路の長さは約600mにもなり、元々の音戸町中心部から入口が離れてしまうために利便性の低下が見込まれるほか,多くの人家が移転対象となることで,事業費が増大する可能性などがあったためとされています。ループ橋とすることで、買収する用地は小さくて済むほか長いスロープを設けなくても高低差のある音戸大橋と行き来ができます。同県はこれを「一石二鳥の画期的な方法」と紹介しています。
このループ橋の走路は真円が採用されていますが、これはもう一つの案であった長円形と比べてハンドルやアクセル操作が少なく、運転しやすいという特徴を持っています。なお、円形のためわかりにくいですが、道路の総延長は約430mです。実際に走ってみると、ハンドル操作は少なく、スピードも出せないので、2回転半よりも長い距離を曲がりながら登り続けているような印象を受け、今何周目に突入しているかわからなくなる感覚にもとらわれました。
ちなみに、このループ橋、およびその始点にある標識は、過去にSNSで話題となったこともあり、「先週初めて自分の運転で回ったけどめっちゃ楽しかったww」「フィギュアスケートかな?」「ダブルアクセル」といったコメントが寄せられています。なお、ループの数が標識では1回転半、文字では2回転半とズレているのは、わかりやすさを重視したからなどの理由があったとされています。