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旅客機は「燃料が悪すぎる交通手段」なのでしょうか? 1回のフライトで何万Lも燃料使いますよね…?

乗りものニュース 2025年2月4日 16時12分

旅客機は一般的に、大量の燃料を消費することで知られています。果たして実際に「環境に悪い交通手段」なのでしょうか。実はそうでもないかもしれません。

機体の燃費もどんどん改善

 旅客機は一般的に、大量の燃料を消費することで知られています。海外では、近距離のフライトを別の交通手段に置き換える国もあるほど。果たして実際「環境に悪い交通手段」なのでしょうか。

 JAL(日本航空)の整備士によると、新鋭機の一つであるボーイング787を運航する際の燃料消費量は、例えばニューヨークから成田までおよそ1万1000kmを飛ぶ場合、2000年代までJALで飛んでいた「ジャンボジェット」ことボーイング747-400と比べて、半分以下といいます。

 では、ニューヨーク発成田行きのフライトをする場合、旅客機は世代ごとにどれくらいの燃料を消費するのでしょうか。

 JALによると、747-400は35万ポンド(約15万9000kg)だったのに対し、その後のJAL国際線主力機ボーイング777は約25万ポンド(約11万3400kg)、そしてボーイング787は15万ポンド(約6万8000kg)とのこと。

 JALの情報をもとに航空燃料1kgあたりの飛行距離をモデルごとにそれぞれ試算すると、747-400は約69m、777は約97m、787は約161m飛べることになります。自動車風にいえば、新鋭機の787でさえ「リッター約161m」。これらの短い距離を見ると莫大な燃料を使っているようにも見えます。

 こう見ると、自動車よりもはるかに燃費が悪い乗りものとされがちですが、1座席あたり、つまり1人あたりで見ると必ずしもそうともいえません。

実は考え方によっちゃ「燃費いいクルマ」にも及ぶ?

 もちろんいつも満席になることはないものの、飛行機は一度に多くの乗客を運べます。

 JALの場合、国際線仕様機でも配置が数パターンあり、それにより座席数も異なりますが、たとえば747-400であれば384席、777-300は244席、787-8は186席です。

 これらのモデルをもし座席数で掛け算し、1人あたりで試算した場合、いずれも満席であれば燃料1Lで20km以上の距離を飛べることになります。そうなると、燃費性能の良さをうたう自動車並みの数値となるわけです。

 なお、飛行機の燃料には、ケロシンというものが使われます。これは灯油に近しい成分ながら、摂氏マイナス50度の気温まで下がる上空で凍結を防ぐべく、水分をできるだけ含まないよう調整されたものです。

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