かなり革新的な兵器です。
「戦闘支援型多目的USV」の新たなイメージが公開
防衛装備庁は2025年1月30日、研究開発事業の概要を紹介する「研究開発パンフレット」を刷新したと発表。この中で、自衛隊が海上で運用するステルス性を備えた無人艦艇「戦闘支援型多目的USV」の新たなイメージ図を公開しました。
「USV」とは無人水上航走体(無人水上艇)のことです。最近では、ウクライナ軍が「マグラV5」や「シーベビー」と呼ばれる爆薬を搭載した無人水上艇をロシア艦艇への攻撃に投入し、大きな戦果を上げています。
この「戦闘支援型多目的USV」は警戒監視だけでなく、対艦ミサイルなども搭載し、有人艦艇を支援する無人水上艇として開発が進められています。用途に応じて最適化されたパーツを組み替えることで、様々な任務に対応できる艦艇となる見込みです。
潜水艦を攻撃することも想定されており、敵潜水艦を捜索するための対潜ソーナーも搭載する見通し。なお、防衛装備庁は「USV用対潜ソーナーの研究」業務を日本電気と契約したことを明らかにしています。
「戦闘支援型多目的USV」は2023年8月に初めてイメージ図が公開され、宇宙船のような外観がSNSなどで話題となりました。外観はステルス性が意識され、潜水艦の「そうりゅう」や「たいげい」型でも採用されているX舵が装備されていましたが、2024年8月に公開された新たなイメージ画像では、船体形状が大幅に変更されています。今回公開された新たなイメージ図は、2023年8月の当初のイメージ図に似たものとなっています。
防衛省は2024年度予算に「戦闘支援型多目的USV」の研究費として248億円を計上。防衛装備庁は今後、複数のUSVを試作し、海上試験やシミュレーションによる検証を行う方針。自動運航、搭載機器の選択運用、複数USVの連携、潜水航行など、ステルス性を持つUSVシステムを実現するとしています。