新東名高速で深夜時間帯に「自動運転車優先レーン」が設置されます。国土交通省らが進める自動運転トラックの実現に向けた実証実験の一環ですが、これに伴い、当該区間で「通行区分指定」が解除されます。
トラックだらけの新東名で「通行区分指定」解除
新東名高速で深夜時間帯に2025年3月3日から、「自動運転車優先レーン」が設置されます。国土交通省らが進める自動運転トラックの実現に向けた実証実験が始まります。
新東名の静岡県内の6車線区間、駿河湾沼津SA~浜松SA間にて、平日の夜間(22時~翌5時)に、第1通行帯(最も左側の車線)が「自動運転車優先レーン」となります。このレーンを使い、道路側と車両側とで様々な情報をやり取りしながら、システムが運転の主体となる「レベル4」の自動運転の実現を目指す取り組みです。
優先レーン設置中は、道路情報板に「左車線 自動運転実験中」と表示するそうです。優先レーンは対象外のクルマも走れますが、「優先対象の車両が接近した場合、走行の妨げとならないようご協力をお願い致します」と呼びかけられています。
ただ、この優先レーン実施中は、大型貨物車の通行帯を第1通行帯に指定する「通行区分指定」の規制が解除されます。
新東名のこの区間は、一般車の最高速度が120km/h、大型トラックが90km/hに指定されています。速度差が大きいため、大型トラックは追越しの場合などを除き原則として第1通行帯を走るよう指定されていますが、深夜の新東名はトラックの割合が非常に多く、第2通行帯、場合によっては第3通行帯(追越車線)を延々走っている姿も多く見かけます。
自動運転車優先レーンも「走ってOK」 今とそう変わらないワケ
通行区分指定の解除で、第2・第3通行帯を走るトラックが増えるのではないか――そんな疑問を静岡県警交通企画課に尋ねると、「今までとさほど変わらないと考えている」とのこと。
「自動運転車優先レーンを設置するとはいえ、常に自動運転トラックが走っているわけではなく、対象車以外も走行が可能です。今までと変わらず左側を走ってもらいたい」
仮に、第2通行帯を走るトラックが多く、第1通行帯が空いていれば、必ず第1通行帯に移ってくるトラックもいるので、総合的には変わらないというわけです。そして、第3通行帯(追越車線)を延々走り続けるのは、貨物車であっても一般車であっても違反です。
自動運転優先レーンだから第1通行帯は「走ってはいけない」――こう考えるべきでないことは、貨物車にも一般車にも言えそうです。