(宗)梅旧院(大阪市天王寺区)は8月30日、大阪地裁に破産を申請し同日、保全管理命令及び包括的禁止命令を受けた。
保全管理人には野村剛司弁護士(なのはな法律事務所、同市北区西天満4-3-4)が選任された。
負債は現在調査中。
「梅旧院」は、曹洞宗の寺院として室町時代に創建。1953年に宗教法人化し、1995年11月には納骨壇を備えるビル型納骨堂「梅旧院光明殿」を新築して納骨堂事業に参入した。
「来て見て便利な梅旧院」のフレーズによるテレビCMを放映し、関西地区では高い知名度を得た。葬儀から納骨式、永代供養まで一貫して手掛けることで一定の利用者を獲得した。
しかし、納骨堂新築の際に調達した資金の返済に詰まり、2002年に一部債務が整理回収機構に譲渡された。同時期には納骨堂所在地に光明殿(株)(大阪市浪速区)を設立し、「梅旧院光明殿」の運営を委託。また、納骨堂の不動産には梅旧院を債務者、光明殿や関係先を債権者とする担保が設定され、資金面でも同社への依存度を強めていた。
こうしたなか、2017年10月には同社代表者らが法人税法違反の容疑で逮捕される事態が発生。その後も納骨堂事業を継続したものの、余裕のない資金状況が続いた。梅旧院が所有する不動産が競売を経て第三者に所有権が移転されるなど、動向が注目されていたなか、今回の措置となった。
なお、納骨堂事業は継続されている。
※(宗)梅旧院(TSR企業コード:570998387、法人番号:120005001527、大阪市天王寺区夕陽丘町1-18、設立1953(昭和28)年6月)
※光明殿(株)(TSR企業コード:575344970、法人番号:5120001100757、大阪市浪速区)