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神木隆之介「主人公の鉄平を『ONE PIECE』のルフィのようなイメージで演じています」 日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」【インタビュー】

エンタメOVO 2024年9月18日 17時0分

 神木隆之介が主演する10月期日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(TBS系/毎週日曜よる9時)。本作は、脚本・野木亜紀子×監督・塚原あゆ子×プロデューサー・新井順子の強力チームで贈る壮大なヒューマンラブエンターテインメント。1955年から石炭産業で躍進した長崎県・端島(通称=軍艦島)と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、そして家族の壮大な物語が描かれる。

 神木は本作で一人二役に初挑戦。高度経済成長期の端島で育った誠実で真っすぐな主人公・鉄平と、現代の東京に生きるもう一人の主人公・ホストの玲央を演じる。日曜劇場は初主演となる神木に、一人二役に臨んでいる感想や撮影時のエピソード、本作の魅力などを聞いた。

-主人公のキャスティングについて、制作陣は満場一致で神木さんにオファーしたそうです。オファーを受けた際の心境はいかがでしたか。

 すごくうれしい気持ちとプレッシャーがありました。オリジナルの脚本ということで、その当時の仮の台本を読ませていただいたときに思ったことや疑問点を、野木さんや塚原さん、新井さんにお会いして伝えさせていただいたときに、すごく親身に全て答えていただいて。その話をしているときの塚原さんたちの目が自信に満ちあふれていたのが印象的で、信念を持って私たちはこういうことを表現したいという強い意志を感じました。僕はまだ31歳で、今の年齢で日曜劇場の主演のオファーが来るとは思っていなかったのですが、塚原さんたちの目を見て、僕はこの方たちに付いていこう、ぜひ参加させていただきたいと思いました。

-脚本を読んだ感想を教えてください。

 端島パートの高度経済成長期は僕が生まれる前のことなので経験していないですし、端島は小さい島でありながら人口が約5000人と大勢の人たちが過ごしていたのですが、島という限定された空間の中での人間関係はきっと特殊で、島ならではの複雑な悩みや喜び、安心みたいなものを理解するのが難しかったです。主人公と各キャラクターとの関係性や、各キャラクターが持っている葛藤や悩みがいくつも絡まっているので、すごく繊細な表現が必要とされる作品だなと思いました。

-鉄平と玲央、それぞれの役作りについて、どのように解釈して取り組んでいますか。

 野木さんや塚原さんに、鉄平はいかに自分の島を良くしていきたいかということを軸に動く人間なので、複雑に悩むというよりは前向きに元気なキャラでいてほしい。基本ベースは『ONE PIECE』のルフィのような人がイメージで元気良くやってほしいと言われました。玲央はだるい、面倒くさいとか、どうでもいいとか、そういう言葉を口癖のように言う無気力、無感動、無関心の男です。将来のことも考えず、ただ流れに身を任せて生きている人間で、このままでいいのかなという葛藤がありながらも、それを考えることすら面倒くさいと思っているので、しゃべり方も意識して変えたりしています。玲央は堕落、鉄平はルフィのようなイメージで演じています。

-そのほかプロデューサーや監督からリクエストされたことがあれば教えてください。

 塚原さんたちが独自で調べた端島の方たちのお話を聞かせていただいたのですが、端島は全員が1つの家族のような独特な空間で、島民全員が自分のことを全て知っている状態の中で息苦しさを感じる人もいれば、それが一島一家だ、みんな一緒ですごく楽しいという人もいて。楽しい中にも、この島がいいのか、逆に広い世界を見てみたいのか、だけど島の職を継いでいかなくてはいけないのか…、そういうものをそれぞれのキャラクターごとに表現してもらいたいと言われました。



-クランクインから約1カ月が経ちますが、共演者の皆さんと、どのような雰囲気で撮影が進んでいますか。

 杉咲花さん、池田エライザさん、清水尋也くん、土屋太鳳さんと同世代の仲間がたくさんいるので、いつも休憩時間に話しながら、楽しく笑いながら撮影が進んでいます。ドラマの中では、それぞれが演じている人たちがどのように島と向き合って人生を背負って生きていかなくてはいけないのかという群像劇になっているので、現場ではいろいろな話をしたり、和気あいあいと遊び心を大事に撮影が進んでいます。

-神木さんは実際に軍艦島クルーズに行かれたそうですが、どのように感じましたか。

 すごく迫力がありました。船の中から軍艦のようなシルエットが急に見えてくるので、そのときに鳥肌が立って…。ほかの岩などとは違う形が急に出てくるので、異空間に行ったような気持ちになりました。いろいろな説明を聞きながら回っていたのですが、建物の壁沿いに緑が生い茂っていたり、危険区域もたくさんありますが、ここにいた人たちは皆楽しくて、すごく活気があったんだろうなという面影がありました。

-現代と過去という2つの軸で描かれる作品になりますが、神木さんが思うこのドラマの楽しみ方は?

 いろいろあると思います。例えば、端島のパートの物語は明るくて楽しいものではありますが、当時の日本の状況や島の環境によって背負うものが多いキャラクターがたくさんいるので、それぞれのキャラクターに感情移入して、こんな思いだったのかと、しみじみと見ることができると思います。現代パートは今に近いので、気楽に見られる休憩場所とも取れますし、今を生きる青年・玲央がどのように過去の時代を見ているのか、どのような印象を受けて、どのように関わって見方が変わっていくのかという楽しみ方もできると思います。現代パートは今を生きている人たちに寄り添っているので、共感してもらえるところがたくさんあると思います。主人公が1人2役で2つパートがあるので、1つの時代を描く作品よりも、いろいろな見方ができる作品だと思います。

-この作品を通して視聴者に伝えたいこと、見どころをお願いします。

 端島は今は「軍艦島」として認識されていますが、ドラマで端島について、ここまで本格的に描くのは初めてなので、実際にどんな島だったのか、当時どんな方たちが暮らしていらしたかというのはあまり知られていないと思います。このドラマを通して、当時の生き生きとした端島について、その時代の中でどんな人間ドラマが生まれていたか、時代と共にどのように駆け抜けていったかを見ていただけたらと思います。現代パートでも謎の婦人・いづみ役を演じる宮本信子さんが、どのように役を作られているのかなど、見どころがたくさんあるので楽しんでいただけたらうれしいです。

(取材・文/小宮山あきの)


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