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400億円市場に商機 道内も注目「スーパーフード」

テレビ北海道 2024年8月17日 12時0分

今回のけいナビは、国内市場規模400億円とも言われる「スーパーフード」について特集する。一般社団法人日本スーパーフード協会によれば、スーパーフードとは栄養成分が豊富で、一部の栄養価が一般的な食品に比べ突出して高い食材を指す。北海道内でも、スーパーフードを生産する動きが広がってきている。

JR札幌駅構内に2006年にオープンした北海道どさんこプラザ。道内各地の特産品2000アイテムがずらりと並び、連日多くの人でにぎわっている。このどさんこプラザの中で、南米アンデス地方原産のスーパーフード「キヌア」が販売されている。

必須アミノ酸やミネラルをバランスよく含むというキヌア。栽培されている場所は道北の剣淵町だ。新たな町の特産品を育てようと、2014年に地元の農家が栽培に挑戦した。

剣淵町は、ペルーのタルマ市と姉妹都市の関係にある。ペルーにあって日本にないものを探してキヌアに行きついたのだが、国内での栽培事例がほとんどない作物だったため、収穫までに6年を要した。その後、苦みを取り除く機械を約2000万円かけて導入するなどし、現在では企業が目を付けるほどの安定生産に成功した。

その企業とは、道内製粉大手の横山製粉(札幌)。小麦の市場が飽和状態になってきていることからキヌアに着目、剣淵町の生産者と共同で新たな商品開発に乗り出した。キヌアの認知度を高め、消費量を増やしていくことが課題だとしている。

剣淵町の隣の士別市では、亜麻の花の種「アマニ」が栽培されている。アマニもスーパーフードとして注目されている食材のひとつ。市内の生産者が、エスコンフィールド北海道の敷地の3倍、約15ヘクタールの畑で手掛けている。

この士別でのアマニ栽培に注目するのが、製粉業国内大手のニップン(東京、旧社名は日本製粉)だ。ニップンは元は、海外産のアマニを多く使っていたが、気候変動や紛争の影響から海外調達が難しくなり、一部を士別産に切り替えた。

士別産を原料とした商品も開発。市とも連携し、アマニを観光資源として活用する取り組みにも力を入れる。最近では、アマニを原料とした菓子を作る動きも出てきた。

伊達市では、豆苗などの発芽野菜、いわゆるスプラウト生産大手の村上農園(広島)が、大型のハウスを整備している。そこでこれから作ろうとしているのが「ブロッコリースーパースプラウト」。これもスーパーフードと位置付けられている。

スーパーでも見かけるおなじみの野菜だが、実は道内で流通しているのは関東で作られたもの。輸送にかかる時間とコストが大きいことから、伊達を拠点に道内各地に届ける体制を整えようと拠点開設に踏み切った。年内に生産を開始する計画だ。

番組コメンテーターの北大大学院・平本健太教授は、スーパーフードは通常の食品よりも付加価値を付けやすいとし、「安定的な需要を見込むこともできる。北海道農業の中の重要な要素となる可能性があるのではないか」と話した。

(2024年8月17日放送、テレビ北海道「けいナビ~応援!どさんこ経済~」より)

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