今週のけいナビは、飲食店経営などを手掛ける札幌生まれYOSHIMI(ヨシミ)を特集する。土産品として人気の「Oh!焼とうきび」を作っている企業だが、北海道から沖縄まで全国に35店を展開し、年間4店から5店を新規出店していることはあまり知られていない。その独自の経営手法に着目した。
YOSHIMIのスタートは1983年に開業した札幌・ススキノのレストラン。創業店舗は2017年に閉店したが、ここを起点に全国各地に店舗網を広げていった。
そのYOSHIMIを率いるのが、勝山良美社長。当初は自ら調理もこなし、オーナーシェフとして数々のメニューを作り上げていった。2000年代に入り、札幌パルコを皮切りに東京・池袋や名古屋のパルコに出店。そのことがきっかけとなり「うちにも出店しないか」という声が全国各地から寄せられるようになったという。
YOSHIMIのレストランの看板メニューといえばボリューミーな「ローストビーフ丼」なのだが、人気の理由はそれだけではない。
実はYOSHIMIは、9つもの異なる飲食店を展開している。中には「YOSHIMI」のロゴがないブランドも。これだけ多くの業態を持つ理由について勝山社長は、「例えばぶた丼店をやってみて駄目ならスープカレー店、それも駄目ならローストビーフ丼店といった具合に、すぐに業態転換できる。いくつかやればいずれ成功する」と説明する。
そんなYOSHIMIは、コロナ禍に急拡大した。全国のショッピングモールなど大型商業施設はコロナの間でも客足が絶えなかった点に注目、空き店舗を探して集中出店したのだ。この戦略が効果を上げ、売上高は間もなく65億円を超える見通し。コロナ前の約2倍の規模だという。
好調な飲食店部門と並ぶ、YOSHIMIのもうひとつの柱が土産品の販売だ。「Oh!焼とうきび」は2011年に誕生。1日に4万2000袋を製造し、6秒に1袋売れる大ヒット商品となった。売上高はこれだけで15億円に上る。
ことし8月、Oh!シリーズの第2弾が発売された。その名も「Oh!じゃがいも」。新潟の米菓大手、岩塚製菓と共同開発した。ジャガイモはもちろんタマネギも原料に加え、タマネギの風味と甘味が味の決め手になっている。1年半後にはシリーズ第3弾が誕生する可能性もあるという。
勝山社長は、「お客様が喜んでくれる商品を作ることができれば、必ず成功する。経営とはこの1点に限ると思っている」と力を込める。今後は「かき氷」をテーマとした新たな商品を作り、各地の店舗で提供していくとした。
(2024年9月14日放送、テレビ北海道「けいナビ~応援!どさんこ経済~」より)