2019年に道立江差高等看護学院に通っていた学生が自殺した問題で、遺族が道を相手取って起こした裁判で、きょう、函館地裁で初弁論がありました。
男子学生の自殺については、去年、道の第三者委員会が教員のパワハラと「相当因果関係」があるとする調査報告書をまとめ、道は学生の母親に謝罪しました。道がしかし、道がその後の示談交渉のなかで「パワハラと自殺との因果関係は認められない」と主張したことで、母親は道におよそ9500万円の損害賠償を求め、先月函館地裁に提訴しました。
きょうの初弁論で母親は「裁判を行いたいとは一切思っていなかった。道が教員のパワハラが原因だと認めない限り息子の無念は決して晴れない」などと意見陳述しました。初弁論後の会見で母親は、「裁判しないと自死は一切認めないというのが手紙には書いてありました。手紙を見て本当にショックでしたし、あの謝罪はなんだったのかなと思う」と話しました。道は請求棄却を求めて争う方針を示しています。