道内空港を発着する国際線の運航便数が、この冬、コロナ禍前の水準を初めて上回る見込みとなりました。航空機の燃料不足の問題が緩和しつつあることが影響しているとみられます。
道のまとめによりますと、来年1月時点で道内3空港を発着する国際線の便数は、週510便です。ことし1月と比べて200便増加したほか、新型コロナウイルス感染拡大前の2020年との比較でも50便以上増え、初めてコロナ禍前の水準を超えました。
国別では、新千歳空港の韓国線が204便と、2020年と比べおよそ3倍にまで伸びています。便数が増えたのは、春ごろから続く航空機の燃料不足の問題が緩和しつつあるためとみられます。
北海道エアポート唐橋健次郎常務「燃料が供給されて飛行機に搭載されることがかなったのが大きな点です」
国際線の機体の多くは、燃費を良くするため、復路の燃料を到着地で補給するのが一般的です。しかし、日本では石油元売り会社が需要拡大に対応しきれないことや、輸送に伴う人手不足によって、燃料を確保できず、運航を断念する動きが相次ぎました。これを受け、国は6月に「官民協議会」を立ち上げ、運送会社などと連携し輸送体制の強化を進めました。
国土交通省航空局多田龍介さん「週150便以上の燃料を確保するという目標を超えて週200便以上の供給のめどが立っている。ただ、新千歳空港の中国路線は2020年に比べ4割ほど少なく、欧米からの便も戻っていないため、コロナ前のピーク時には届いていないのが現状です」
北海道エアポート唐橋健次郎常務「燃料不足が常態化すると、『日本には燃料がないから就航するのはリスクだ』と航空会社に思われてしまう。航空局や石油元売りに『これだけ就航できていない』とタイムリーに伝えながら一緒に問題解決を図ることが大切だ」