札幌・ススキノでおととし男性が殺害され親子3人が起訴された事件で、殺人などを手助けした罪などに問われている父親の裁判員裁判がきょう、札幌地裁で始まりました。
『違うと思う点がいくつかある』
殺人ほう助や死体遺棄ほう助などの罪に問われている医師の田村修被告が起訴内容について答えた言葉です。
ススキノのホテルでおととし7月、恵庭の会社員男性が殺害され、頭部を切断された状態で見つかった事件では、札幌・厚別区の田村瑠奈被告ら親子3人が殺人などの罪で逮捕・起訴されています。きょうは父親の修被告に対する初めての裁判員裁判が開かれました。
起訴状によりますと、修被告はおととし6月から7月にかけ、のこぎりやキャリーケースなど12点を購入して瑠奈被告に提供。事件当日、瑠奈被告を現場のホテル付近まで送り届け、殺害を手助けしたなどとされています。
既に保釈されている修被告はスーツ姿で入廷。起訴内容について問われると「違うと思う点がいくつかある」としたうえで、「ホテルから戻って来た娘をクルマに乗せた時点でキャリーケースの中に頭部があるとは知らなかった」などと無罪を主張しました。一方で、「警察に通報せず被害者やその家族に迷惑をかけたことは大変申し訳なく思う」などと話しました。
検察側は、今後の裁判で、修被告が瑠奈被告の殺害計画を事前に知っていた点などを立証する考えです。一方の弁護側は、瑠奈被告の殺人や遺体損壊を知ったのは頭部が自宅に持ち込まれた後で、ホテル送迎や物品購入も殺害などを手助けするものではなかったなどと無罪を主張しています。
修被告の裁判員裁判は明日も開かれ、判決は3月12日を予定しています。一方、瑠奈被告に対しては、札幌地裁が去年9月、2度目の精神鑑定を決めていて、初公判の日程は決まっていません。