道内各地の話題を地域の皆さんに伝えてもらう「ACT for HOKKAIDO」のコーナーです。きょうは、上川の比布町(ぴっぷちょう)から、「バット工房」を立ち上げた若者の話題です。
バット工房「キタカラ」の稲原周作さんです。比布町の地域おこし協力隊の活動の一環としてバットづくりをしています。
稲原さんは、大学卒業後、富山県のバット工場に2年ほど勤め、去年から比布町に拠点を移し、材料の仕入れから製造、引き渡しまで、すべて1人で行っています。
元々、大学まで野球をやっていて、プレーヤーとして社会人野球を目指していたと言いますが、その目標はかなわず、「それならば道具作りの道を進もう」と思い、バット職人を志したそうです。
「キタカラ」というブランド名には、北の大地・北海道から全国の舞台で羽ばたく選手の後押しをしたい、限りある資源である木材を「宝物」のように扱ってほしいという二つの願いを込めたそうです。ロゴマークも、北海道らしく雪の結晶の「六花」をイメージして作りました。
もちろん材料も北海道産こだわり、イタヤカエデとメジロカバ、一般的にメープル、バーチと呼ばれる材を使用しています。 近年、バット作りには全自動の機械が使われることが多くなっているそうですが、稲原さんは、1本1本すべて手削りしています。
最近では、木製バットをメインとして使用している大学野球、社会人野球のほか、金属バットの規定の変更で、高校野球でも木製バットの需要が高まっているといいます。軟式用バットの製造もしていて、幅広い層のプレーヤーに向けて、北海道でバット作りをしているということをアピールしていきたいと話します。