札幌・ススキノでおととし男性が殺害され、親子3人が起訴された事件。
殺人などを手助けした罪などに問われている父親で医師の田村修被告(61)の9回目の裁判員裁判がきょう、札幌地裁で開かれています。
ススキノのホテルでおととし7月、恵庭の会社員男性が殺害され、頭部を切断された状態で見つかった事件では札幌・厚別区の田村瑠奈被告(30)ら親子3人が殺人などの罪でそれぞれ逮捕・起訴されています。
きょうは検察側による被告人質問などが行われ、黒いスーツ、紺のネクタイ姿の田村修被告がきのうに引き続き証言台に立ちました。
先月の初公判で父親は「無罪」を主張していて、殺人や死体損壊などを助けた「ほう助」の罪が成立するかが争われています。
検察側と父親・修被告の主なやり取りは以下の通り。
Q ホテルから戻って来た瑠奈被告は自分で車の後部座席にキャリーバックを入れた?
A はい
Q 修被告はスマホは持っていかなかった?
A 記憶にありません
Q 自宅に置いていましたよね?
A ありました。(中略)忘れたのではなく、意図的に、置いていったと認めろということですか?
Q ともに娘のことを心配していた母・浩子被告と連絡が取れなくても良かったのですか?
【★ここで弁護側が異議を申し立てて、検察側は質問を変える】
Q 浩子被告と連絡を取るつもりはなかった?
A 必要があれば取りますが…
Q 送迎の間、連絡を取ろうとはしていない?
A 特に連絡を取る必要があることも起きなかった。そう思うことはありませんでした
Q 修被告は娘を待ち合わせ場所へ送ったあと、勤務先の病院へ行っている。娘がちゃんと合流できたか確認してから行ったのか?
A もし会えなかったり嫌なことがあったら(車に)戻ってきなさい」とは言った。でもしばらく立って問題なさそうだったので(病院へ)戻った
Q 実際にはそこで待機していたのは5分くらい
A けっこう時間が経った記憶もあって。それでも娘は戻ってこないから「大丈夫だ」と
Q 瑠奈被告は次に合流したとき、服装が変わっていた?
A あれ、それ昨日も言いませんでしたっけ?
Q もう一度お願いします
A 水色のパーカーが黒のコート中心の服装に変わっていた
Q (頭部が入った)キャリーケースを車に積み込んだ娘と、自宅に帰る途中に氷8袋を買っている
A はい
Q 買ったコンビニは近い?
A 家から徒歩数分
Q 買った経緯は
A 娘から「氷を買ってほしい」と言われたので買った。用途は特に言っていない
Q 4袋を2回購入。なぜ8袋も必要?
A 私には分かりません。そもそも8袋を買ったことは覚えていなくて、これまでに出された証拠で思い出したほど
Q なぜ氷が必要なのか瑠奈被告に確認はしなかった?
A はい。当時は何に使うのか特に考えていなかった
【★氷の質問が続き、ここで弁護側が異議を申し立てる】
弁護側:本人が記憶がないと言っているのにそういう質問はどうなのか
検察側:体験に基づく記憶を確認している
裁判長:何を冷やすのか、ということを考えなかったのか?と聞きたいんですよね?
A 記憶としてはよみがえってこない。SMプレイのあとだったので、どこか腫れて痛いところがあって冷やしたいのかな・・・という程度
Q 浴室で何かをする娘に氷を渡したところまでは記憶が定か?
A はい
Q その後のことで覚えていることはないんですか?
A ちょっと確証が取れません
Q 氷渡したあとの記憶は?あいまいということですが、「首を拾ってきた」と聞いて、その後の浴室での行動に対してどう思ったのか
A ちょっとびっくりはしました
Q 「首を拾ってきた」の発言に対して本当かどうかの確認は?
A 「まさかな・・・」と半信半疑
Q 少しでも疑うことはなかったのか
A ゼロではない
Q 瑠奈被告に聞いて確認はしないのか
A そのときはしていません
Q そのあと瑠奈被告は浴室でシャワーを浴びた?
A おそらく。シャワーを浴びて着替えた形で玄関に降りてきた
Q その間はあなたは車で待機?
A はい
Q そのときにあなたのスマホは
A そもそも(最初の出発時に)意図的に置いていったわけではないので・・・。たぶん玄関かカーポート、たぶんどこかにはあった
検察側の質問や質問の仕方に対して、弁護側からの異議も目立ったきょうの裁判。午後も開かれ、検察側による被告人質問などが続く予定です。父親の裁判員裁判は最長で12回とされていて、判決は来月12日を予定しています。