札幌・ススキノでおととし、男性が殺害され、親子3人が起訴された事件。殺人などを手助けした罪などに問われている父親で医師の田村修被告(61)の9回目の裁判員裁判がきょう、札幌地裁で開かれました。
ススキノのホテルでおととし7月、恵庭の会社員男性が殺害され、頭部を切断された状態で見つかった事件では札幌・厚別区の田村瑠奈被告(30)ら親子3人が殺人などの罪でそれぞれ逮捕・起訴されています。
先月の初公判で父親は「無罪」を主張していて、殺人や死体損壊などを助けた「ほう助」の罪が成立するかが争われています。
きょうの法廷では、最後に裁判官らからの被告人質問があり、証言台で答える田村修被告は声を詰まらせ、涙を流す場面もありました。
裁判長と父親・修被告の最後の主なやり取りは以下の通り。
Q(裁判長) 瑠奈被告が持ち帰った遺体の一部について。両親以外に見せるとは思っていた?
A いいえ。
Q 瑠奈被告は過去に親に内緒で大それたことをしたことがある?
A 隠れて大それたことはあんまり。強いていえば自傷行為くらいでしょうか。
Q (母の)浩子被告は「●●さん(被害者)のことを殺してやりたい」という瑠奈被告の発言を聞いたかもしれないと言っていた。あなたは?
A 私はありません。
(中略)
Q これまでのあなたの話を前提にすると、娘可愛さに止めたり、警察に言うことはできなかったと?
A はい。
Q 損壊時のビデオも撮影している?
A はい。
Q 罪に当たるかは別にして、何か思うことはありますか?
A 今はもう悔やんでも悔やんでも悔やんでも悔やみきれない。どこかで身を挺してでも何かをするべきだった。何もしなかったことについて良心の呵責というか、悔やんでも悔やみきれない。道義的責任は痛感している。何を言われてもその通りです。
Q ものすごい事件ですよね? (これまでの法廷で)あまりにも淡々と話されていて、被害者に伝わるのか。社会的・道義的な責任は?
A 道義的・社会的責任は痛感しております。法廷においてはできるだけ落ち着いて、冷静に、と心がけていたので、そういうことだと理解していただければ。口先だけ、胸が痛まないとかはありません。
Q あなた自身の人生も今後、相当な苦労があると思うが、どのように生きていかれるのか?
A 被害弁償、そして娘を親として支えていかなければならない。私自身が社会にどのようなポジションを与えていただけるのかは分からないが・・・(声を詰まらせ涙を流しながら)浩子とともに背負って生きていく所存でございます。
裁判員裁判による判決は3月12日を予定します。きょうで被告人質問までの日程が終わり、次回の今月18日の裁判では論告・弁論などが予定されています。