市川 栞 キャスター:
スタジオに地域防災を専門とする金沢大学の青木 賢人准教授をゲストにお招きし、復興に向けたヒントを一緒に探りたいと思います。
青木先生、能登半島地震からまもなく1年です。復旧・復興への動きをどのように感じていらっしゃいますか。
青木 賢人 准教授:
本当に早い1年間だったと思ってますけど、まだまだ、正にマダラということで、進んでいない所がたくさんありますよね。
佐藤 希生 アナウンサー:
では、この1年の推移を数字で見ていきたいと思います。
佐藤:
避難している方の数です。震災直後は4万人あまりにのぼりました。9月頃には500人ほどまで減りましたが、奥能登豪雨が発生し、豪雨による避難者はピーク時に1500人。そして現在も、地震と豪雨により300人を越える方々が避難生活を強いられています。
市川:
避難生活を続けている方の中には仮設住宅への入居を待っている方も多くいらっしゃいますよね。
佐藤:
そうなんですよね。その仮設住宅の建設状況ですけれども…
佐藤:
地震の被災者向けの6882戸は23日に残りの24戸が完成し、必要戸数すべて完成しました。豪雨により4か月遅れでの完成となったんですね。
そして、豪雨の被災者向けの286戸は、木造2階建てとなるため、通常より時間がかかり、来年の3月末までの完成を目指すということなんです。
市川:
応急仮設住宅ですけれども、完成にこれだけ時間がかかってしまうのかな、どうなんだろう早いんだろうか遅いんだろうかと思ってしまうですが、過去の震災でもこれ位の時間がかかっているんですか。
青木 准教授:
能登は少し時間がかかっていると思います。どうしても住宅を建てる平野が狭い場所なもんですから、建物の場所を確保するということが難しかったということがあるだろうと思いますね。
市川:
能登は高齢の方が多い中で、自力で自宅を再建するが難しい方もいらっしゃいますよね。そうした方々の次のステップということで、恒久的に住める「災害公営住宅」が、いつ建てられて入居できるのかが気になるところなんですが、先生、県内の状況ってどうなんでしょうか。
青木 准教授:
今の段階でやっと仮設住宅の完成に入ったところです。これが原則2年の使用となっていますけれども、その後に災害公営住宅に移るという形になります。2年で建たなかったら仮設住宅はそのまま使えることになると思いますけど、段階を追って災害公営住宅に移っていただくということになると思います。
佐藤:
石川県は、約1万世帯に住まい再建に関する意向調査を行っていて、来年4月にとりまとめて、まずはどのくらいのニーズがあるのか把握するということです。
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