能登半島地震で被災した石川県七尾市の小学生たちがいま、映画づくりに取り組んでいます。楽しみながらも地震で受けた心の傷と向き合う子どもたちの取り組みを取材しました。
30日夕方、のとじま水族館に集まってきたのは地元の小学生たちとカメラなど撮影機材を持ったスタッフたち。
小学生たちによる「短編映画」の撮影が行われていました。
「シーン1の2のBテイク2 アクション!」
「イルカたち戻ってきたんだね。」
「よっしゃまた会えた!」
「地震の影響でほかの水族館に避難していたんだけど、みんな戻ってきたよ。」
「でもイルカショーはまだやってないみたい。」
「春に再開できるよう毎日みんなで練習しているよ。」
「早くイルカショー見たいな」
「カット」
この取り組みは子供たちに地震のトラウマと向き合ってもらおうとNPO法人が企画したもの。
シナリオは、子供たちに考えてもらい、水族館や仮設住宅などをロケ地にしながら「能登島を元気にしたい」というメッセージを伝えます。
参加した児童:
「石川県全体の人に見てもらったりして楽しんでもらったり、うれしくなってもらったりしてもらいたいです」
海老名こころのクリニック・桑山 紀彦 院長:
「震災からかなりの年月たってますけど、心のなかについた傷はまだそのままだったりするんですよね。それをもう時間がたったから大丈夫だろうと放っておくと、やがて恐ろしい心の病、PTSD(心的外傷後ストレス障害)とかになるんですよね。いろんな人の震災の体験を映画のシナリオや筋書きの中で、みんなで追体験していって、もう十分語れるよねっていう人になっていくために、この映画のワークショップがあるんです」
この短編映画は3月上旬までに完成させ、地域で上映会を行う予定です。
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