埼玉県で発生した下水道管の破損が原因とみられる道路の陥没事故。石川県内での同じような事故の可能性について下水道管の管理状況を調べました。
1月、埼玉県八潮市で発生した道路の陥没事故。トラックが転落し、ドライバーの捜索が続いています。
陥没の原因とみられているのが…下水道管の破損です。
地下10メートルにある管が何らかの原因で破損。水が漏れるなどしたことで空洞ができ、道路が陥没したとみられています。
実は、こうした陥没事故は毎年、全国で数千件確認されています。減少傾向ではあるものの、2022年度には2600件あまり発生。
そして事故は石川県内でも…
住田 鉄平 記者:
「非常に交通量が多いこちらの幹線道路。いまはきれいに舗装されていますが、10年ほど前、この場所で陥没事故がありました」
2015年に金沢市内で発生した大規模な道路の陥没事故。幸い、車両が転落するなどの被害はありませんでしたが、このときの原因も下水道管の劣化によるものでした。
市の担当者は、陥没の頻度についてこう話します。
金沢市企業局下水道整備課・山本 晃市 課長:
「金沢市では年間約10件から20件の陥没がございます。各ご家庭に接続する取付管というものの破損がほとんどです。取付管は浅い位置にありますので、陥没の規模は小さく、大きな事故にはなっておりません」
そして、管理の仕方については…
金沢市企業局・山本 晃市 課長:
「ここに完成竣工年度が1977年3月というふうに書いてありまして、こういう形で管理をしております」
金沢市では総延長2500キロのうち、すでに180キロが50年の耐用年数を超過。
完成した年や、長さ、材質などの情報をマップ上に記載し、古いものから順に調査を行っているといいます。
金沢市企業局・山本 晃市 課長:
「下水道の水が集まるような大きな区間になりますと、設置から20年後に調査に入ります。そのほかの管は30年後に調査に入ります」
大きな異常があれば管を入れ替えますが、ほとんどのケースでは、特殊な樹脂を内側から張り、強度を向上させる工法をとっているといいます。
この日も、金沢市内のマンホールを開け、硫化水素と酸素の濃度を測った上で、職員が中へ…
「管が細いものですから、写真を撮りまして、内部で異常がないかということを確認しております」
「はい、異常ありませんでした」
「管の中を目視した結果、異常はございませんでした」
金沢市企業局下水道整備課・山本 晃市 課長:
「少しでも劣化などを認められた場合は、計画的に修繕ないしは改築を行うことによって、安定した下水道を使用できるように努めてまいりたいと思っております」
金沢市では、下水道管全体の3割でカメラ調査を完了していて、今後も計画的に維持管理していきたいとしています。
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