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日立システムズとインテグリティ・ヘルスケア、医薬・ヘルスケア分野で提携

週刊BCN+ 2021年4月26日 14時21分

 日立システムズとインテグリティ・ヘルスケアは、医薬・ヘルスケア分野で提携、総合的な健康支援サービスの提供を21年度中に開始する。

 今回の提携によって、両社は自治体、健康保険組合、企業などに対し、セキュアなクラウド基盤上でオンライン診療や服薬指導、PHR(Personal Health Record)サービスなどを連携させることで、医療情報・データを一元的に管理する。

 日立システムズは、セキュアで柔軟・低コストなクラウドサービスを実現可能なアマゾンウェブサービス(AWS)環境で、医療情報システムのさまざまな要件に対応するための考え方や関連する情報を整理検討した文書を作成・提供することにより、医療情報システムでのAWS環境の活用を促進するとともに、システムコストの最適化や運用管理の効率化を支援する各種のITサービスを広く提供している。また、これらの実績が評価され、日本で唯一の「AWSコンピテンシープロクラムにおけるライフサイエンスコンピテンシー」を取得している。

 また、17年6月の健康経営宣言後、健康経営の取り組みを推進し、その実績をサービスに還元。18年には、タニタヘルスリンク(THL)に出資し、ヘルスケア分野のオープンプラットフォームの構築について支援し、昨年はTHLと連携した企業向けの「健康経営支援サービス」、自治体向けの「健康増進事業支援サービス」を提供し、従業員や地域住民の計測データ管理、生活習慣の改善・定着までの一連の健康づくりを効率よくサポートすることで医療費の適正化や健康寿命の延伸に貢献している。

 一方、インテグリティ・ヘルスケアは、疾患管理システム「YaDoc」、オンライン診療・服薬指導システム「YaDoc Quick」を展開しており、YaDocやYaDoc Quickを導入している医療機関は合わせて約3000施設となる。また、新たに3月からPHR管理システム「Smart One Health」をリリースしている。

 Smart One Healthでは、「未病」「予防」「治療」すべてのシーンで、「かかりつけ医」をはじめとする専門家とデータを共有し、血圧、体重、血糖値などのバイタルデータだけでなく、薬、食事、運動などのデータを入力することで、それぞれの関係性をグラフ・表形式で見える化し、効果的な療養指導や自己管理をサポートする。

 さらに、Smart One HealthとYaDoc Quickを連携して使用することで、アプリケーションからスムーズに診療予約を取り、画面共有しながらオンラインで指導を受けることを可能にする。とくに、生活習慣病を中心とする慢性疾患の予防から治療を支援するサービスとして、医療機関だけでなく、企業や健康保険組合、自治体に対して、さまざまなソリューションを展開していく予定。

 今後は、日立システムズの強みであるセキュアなクラウド基盤上での医療情報システムに関する知見・ノウハウと、インテグリティ・ヘルスケアの強みであるオンライン診療や服薬指導、PHRサービスを連携させることで、医療情報・データを一元的に管理し、それらの情報に基づいた総合的な健康支援サービスの提供を目指す。例えば、THLと連携した日立システムズの健康経営支援サービス、健康増進事業支援サービスとインテグリティ・ヘルスケアのSmart One Healthを日立システムズのクラウド基盤で連携することで、予防から治療までのサービスを企業に提供することが可能となる。

 また、今回の取り組みについては、22年4月の日立システムズグループ展開を見据え、10月から段階的に自社に導入し、効果をサービスに反映していく予定。さらに、日立システムズがハブとなり、産学連携による生活習慣病改善アプリケーションの共同研究や、医療・ヘルスケア分野での協創を実現して、健康支援・増進、効率化、医療費削減の推進に寄与していく。

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