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札幌学院大学が新ファイルサーバーに採用、ネットワールド提供のNetApp AFF C190

週刊BCN+ 2021年5月25日 14時52分

 ネットワールドは5月25日、札幌学院大学の学生・教員が利用するファイルサーバー環境改善プロジェクトでネットアップ製オールフラッシュ・ストレージ「NetApp AFF C190」が採用され、本格稼働開始したと発表した。

 札幌学院大学は、学生が個人のファイルなどをファイルサーバー上に置き、各自の環境を利用できるようにしているが、ユーザーのデータ容量が増加したことで、Windowsのログインに時間がかかり、すぐに授業を開始できないなどの問題があった。また、学生向けの領域を1GBしか提供できなかったため、大容量データを用いた研究・教育活動に支障が出ていた。

 札幌学院大学では、長年にわたりネットアップのストレージをファイルサーバーに利用しており、過去、深刻なトラブルが一度もないことから、新ファイルサーバーの選定にあたって、まずネットアップのストレージOS「ONTAP」を搭載した製品であることが要件だった。

 また、大幅な性能向上が期待できるオールフラッシュ・ストレージであること、Mac OS/Windowsの両環境でファイル共有が行えること、クラウド上へのバックアップが行えること、学生一人当たり8GB、教員一人当たり10Gの領域を確保することなどの要件が挙げられ、これらを満たす製品としてAFF C190が選定された。

 クラウドへのバックアップのために、パブリッククラウド上でONTAPを稼働させる「Cloud Volumes ONTAP」を利用する方法もあるが、運用状況を踏まえた上で、AFF C190とパブリッククラウドを連携して一つのデータプールに見せ、アクセス頻度に応じてデータブロックを自動階層化する機能「FabricPool」を組み合わせ、アクセス頻度の多いホットデータはAFF C190に残し、アクセス頻度の少ないコールドデータはクラウド上の低コストのストレージへ移動させることで、コスト削減する提案が採用された。

 昨年10月から本番稼働を開始した新ファイルサーバーは、AFF C190がプライマリ/バックアップ用としてそれぞれ1台ずつ導入されており、プライマリストレージに保存されたデータは、きょう体間ミラーリング機能「SnapMirror」を利用して、バックアップ用AFF C190へ日次バックアップを実施。あまり利用されなくなったデータは、FabricPoolを用いてAWS S3へ転送している。

 現在は約2TB分のデータをAWS S3に転送しているが、AFF C190の新規クラスターには、10TB分の容量ライセンス費用が無償でバンドルされるため、バックアップデータが増えてもコストがかさむ心配がない。また、クラウドとの連携を行うことで、万が一キャンパスが被災するようなことがあった際にも、確実にデータを保護できるようになった。スナップショット機能も役立っており、教員や学生が誤って自分のデータを消してしまっても速やかに復旧でき、さまざまな事態に対応できるよう7世代分のスナップショットを保存している。

 AFF C190による性能改善効果は大きく、以前はログインが終わるまでに約5分程度の時間を要していたが、現在では約40秒にまで短縮した。

 また、旧環境では学生向けの領域を1GBしか提供できなかったが、新システムでは大幅に容量を増やし、大容量データを用いた研究・教育活動も行いやすくなった。なお、同大学は学生数が約3300人、教員数が約100人で、この人数に1人当たりのデータ容量を掛け合わせると27TBをオーバーするが、圧縮・重複排除やデータコンパクションなどの機能を活用することで、容量を約15分の1に削減。これにより約16TBの実効容量で問題なく運用している。

 システムの提案・導入は、ネットワールドのパートナーであるネットワンシステムズが担当し、提案の構成などの迅速・丁寧な協力、保守フェーズも含めて、ネットワールドの支援が高く評価された。

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