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日立システムズ、医薬・ヘルスケア領域の中期事業戦略を発表

週刊BCN+ 2021年8月19日 17時30分

 日立システムズは、医薬・ヘルスケア領域の中期事業戦略を打ち出した。

 日立システムズの強みは、法規制に準拠したクラウド基盤。14年から提供しているCSV対応のクラウドサービスや、アマゾンウェブサービス(AWS)環境での医療情報の適正で安全な取り扱いをはじめ、医療情報システムのさまざまな要件に対応するための考え方や関連する情報を整理・検討した各種リファレンスを提供している。各種リファレンスは、厚生労働省、総務省、経済産業省の3省が定めた二つのガイドラインに対応している。

 また、医療情報システムでのAWS環境の活用を促進するとともに、医療情報を取り扱う場合のセキュリティ対策・安全管理などを意識したクラウドシステム構築の支援や、システムコストの最適化、運用管理の効率化を支援する各種ITサービスを広く提供していることも強み。国内企業で唯一「AWS コンピテンシープログラムにおけるライフサイエンスコンピテンシー」を取得している。

 また、今年4月にインテグリティ・ヘルスケアと提携し、自治体、健康保険組合、企業などに対し、セキュアなクラウド基盤上でオンライン診療や服薬指導、PHRサービスなどを連携させることで、医療情報を一元的に管理し、それらの情報に基づいた総合的な健康支援サービスの開発に取り組んでいる。

 一元的に管理された医療情報については、東京大学センター・オブ・イノベーション「自分で守る健康社会拠点(東京大学COI)」が開発したAIを用いた生活習慣関連疾患に関するリスクの可視化を目指した行動変容促進システムを活用。

 健康診断の結果などから疾患リスクを予測してオンラインでの保健指導を可能とするほか、専門家監修による医学的根拠に基づいた日常生活の評価や個々の状況に応じたアドバイスをスマートデバイス上で提供し、利用者の行動変容を促す。パートナーとも連携したサービスを提供することで、利用者はサイクルの中で分断されることなくサービスを受けられるようになる。

 日立システムズでは、こうした健診から治療支援、介護まで情報連携できる包括したサービスの提供を23年度までに段階的に開始していく予定。また、医薬・ヘルスケア領域で、DX実現の支援に取り組んでいくほか、日立製作所のLumadaソリューションを迅速に検証・活用できるLumada Solution Hubなどとも連携を図り、23年度までに約100億円の売り上げを目指す。

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