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アクセンチュア、JICAの国際協力DX化プロジェクトを受託

週刊BCN+ 2021年8月24日 17時0分

 アクセンチュアは、国際協力機構(JICA)の国際協力でデジタルトランスフォーメーション(DX)のさらなる加速に向けたプロジェクトを受託した。同プロジェクトの一環として、インド、ウガンダ、カンボジア、タイ、ベトナム、モーリシャスの6カ国で、デジタルを活用したパイロット事業を行う。このうちモーリシャスでは、防災支援を皮切りに、関連データの活用推進、都市OS導入につながる検証を実施する。

 JICAでは、世界各国で展開する事業にデジタル技術の活用を盛り込む「DX主流化」を進めている。昨年6月には、ガバナンス・平和構築部にSTI・DX室を新規設置するなど事業のDX主流化に向けた体制を強化する中、今回のプロジェクトでは、DX主流化の検討、DX主流化を後押しするパイロット事業の実施、それらを下支えする環境整備としての事業関連データ活用構想の策定を行い、アクセンチュアが実行を支援する。

 6カ国で開始されているパイロット事業は、22年2月まで行われ、JICAによる国際協力DX主流化のモデル案件として、本格的な事業展開を目指す。

 実施予定のパイロット事業は、インドで「現在進行している円借款案件のさらなる効率的運用を目指す民間連携プラットフォーム化支援」、ウガンダで「データの統合・分析による難民支援施設の利用状況と利用者特性の精緻な可視化」、カンボジアで「デジタル通貨の普及に向けたサービス検証」、タイで「水道管路管理における人工知能技術の活用可能性の検証」、ベトナムで「水質予測モデルを活用した住民向け水質情報提供アプリの導入」、モーリシャスで「防災・減災のためのデジタル連携プラットフォーム適用可能性の検証」。

 このうち、モーリシャスでは自然災害に対する防災・減災のための取り組みを皮切りに、関連データを有効活用できるデジタル連携プラットフォーム(都市OS)の導入につながる検証を実施する。南西インド洋に位置するモーリシャスでは、毎年、周辺海域でサイクロンが頻発し、豪雨、高潮、洪水被害のほか、地滑りなどの自然災害が多く発生し、人的・経済的な被害が継続している。

 特に、都市部での自然災害の被害範囲を最小限にとどめるためには発生時の災害応急対応に加え、都市計画での災害リスクへの配慮や防災施設などへの投資、災害発生時の備えといった予防的な対策が必要不可欠。同パイロット事業では、デジタル連携プラットフォーム(都市OS)という考え方を適用することで、気象情報、衛星写真などの災害に関する多元的データの一元的な管理プロセスと、その活用効果と活用可能性を検証する。

 これにより、防災目的で取得したさまざまな情報のほか、都市計画・都市インフラ関連データ、動植物の生息データ、船舶の停泊状況を含む沿岸環境など他の分野で収集した多岐にわたるデータも都市OS上で連携・利用することが可能となり、防災計画の効率的な立案に役立てるとともに、サンゴ礁などの環境保護、観光振興といった、防災・減災以外の対象領域での活用効果も期待できる。

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