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米IBM、「IBM Watson Assistant」にAIやオートメーションの新機能を追加

週刊BCN+ 2021年9月16日 16時35分

 米IBMは、インテリジェント仮想エージェント「IBM Watson Assistant」にAIやオートメーションの新機能を追加した。 新機能は、チャネルの顧客体験(電話、ウェブ、SMS、メッセージング・プラットフォームなど)を介して顧客に適切な回答を速く提供できるよう設計している。また、CPaaS(Communications Platform as a Service)の大手プロバイダーであるIntelePeerとの新しいコラボレーションによって、音声エージェントをセットアップし、テストの実施が可能となった。加えて、会話の文脈を損なうことなく、ライブ・エージェントへの引き継ぎをシームレスに行うことができる新しいエージェント・アプリの利用も実現した。

 この新機能で、企業はAIやNLPを活用し、ファースト・コンタクトであっても顧客の問題を解決できるようになる。Watson Assistantは、複数のチャネルの顧客体験を介して顧客に適切な回答をより速く提供する。追加サポートが必要な場合には、ライブ・エージェントへの引き継ぎがシームレスに行えるように設計した。

 具体的には、IntelePeerのCPaaSである「Atmosphere Communications Platform」がWatson Assistantで利用可能となった。PlusまたはEnterpriseプランのユーザーは、音声機能や仮想エージェントの新しい電話番号をスムーズに設定できる。

 企業が既存のコンタクト・センター電話システムをすでに有する場合、IntelePeerはWatson Assistantと既存電話システムの間の接続を提供することも可能。Watson Assistantでは、IntelePeerを活用しながらSIPを使用する、ほぼ全ての大手コンタクト・センターのプラットフォームにコーディングなしで、わずか30分での接続が可能となった。

 Watson Assistantの検索スキル機能に、IBM Researchの革新的な質問応答(QA)システムをベースとしたショートアンサー検索を追加した。これにより、質問文の一節が長くても、質問への回答が含まれる文脈のまま、数単語での回答が可能。また、FAQ抽出は、管理者が手動で定期的に更新することなく、広範な情報ソースを活用しながら仮想エージェントを最新の状態に維持することができる。

 新しいエージェント・アプリ機能では、仮想エージェントが中断したところからカスタマー・サービスのエージェントに顧客を引き継ぐことができる。顧客から入電があると、正確な音声文字変換を提供するように設計されたOOTBのIBM音声検出モデルにより、会話がほぼリアルタイムで音声文字変換される。引き継ぎが必要になると、この新しいエージェント・アプリは、カスタマー・サービスのエージェントに最新のトランスクリプトを画面上で提供する。顧客は再度質問する必要がなく、エージェントが問題をさらに迅速に解決できるようになる。

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