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IDC Japan、国内SD-WAN市場予測を発表

週刊BCN+ 2021年9月30日 9時0分

 IDC Japanは9月28日、国内SD-WAN(Software-Defined WAN)市場予測を発表した。

 これによると、20年の国内SD-WAN市場は、前年から36.9%成長し市場規模は37億2200万円となった。21年は、前年の成長率を上回る47.6%の前年比成長率で拡大し、市場規模は54億9200万円に達するとみている。22年以降も成長を続け、20~25年の年間平均成長率が43.2%、25年の市場規模が223億7800万円と予測している。なお、ここでのSD-WAN市場は、SD-WAN関連のハードウェア、ソフトウェア、マネージドサービス、インフラストラクチャ、プロフェッショナルサービスに対するユーザー支出を対象としている。

 近年、SaaS(Software as a Service)アプリケーションやウェブ会議の利用拡大を受け、拠点から直接インターネット接続するローカルブレークアウトの需要が拡大している。IDCでは、これに伴い、SD-WAN導入の主な目的がWANサービス費用の削減からローカルブレークアウトへ変化してきているとみている。WANサービス価格が低廉な国内市場では、WANサービス費用削減効果を期待したSD-WANの導入が思うように進展しなかったが、ローカルブレークアウト需要によるSD-WAN導入の加速に期待が集まっている。

 20年には、従来のサービスに比べ低廉なSD-WANマネージドサービスが、中堅・中小企業、自治体、小中学校ネットワーク向けを中心に国内SD-WAN市場をけん引。また、大企業向けの高機能なSD-WAN市場では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響で導入が進むクラウド型セキュリティを組み合わせたSD-WANの導入検討が進むとみている。ネットワーク構成検討、技術や機器の比較検討、検証などのプロセスを経て、22年以降に大企業でのSD-WANソリューションの本格的な導入が進むと予測している。

 一方で、今後のSD-WAN市場拡大の阻害要因としてローカルブレークアウト実現に技術的な困難さを伴うプロキシサーバーの存在や、在宅勤務の増加による企業の拠点への投資の減少、さらには高機能化したルータでのローカルブレークアウト実現がSD-WANを代替する可能性などが挙げられる。

 IDC Japan コミュニケーションズ リサーチマネージャーの山下頼行氏は、「国内でのSD-WAN導入の目的は、当初想定されていた通信回線コストの削減からローカルブレークアウトの導入に変化してきている。短期的には、中堅・中小企業を中心にローカルブレークアウト実現を主目的として、比較的安価なSD-WAN製品やサービスの導入が進む。一方、大企業では、比較的長期スパンでの取り組みとして、クラウド型セキュリティを組み合わせ、ポストCOVID-19での企業ネットワーク最適化やシステム最適化の中で導入検討が進むだろう」と述べている。

 今回の発表は、IDCが発行した「国内SD-WAN市場予測:2021年-2025年」にその詳細が報告されている。

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