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特定保健指導を支援、日立システムズが「健康支援サービス(MIRAMED)」を提供

週刊BCN+ 2021年11月1日 17時0分

 日立システムズは11月1日、東京大学センター・オブ・イノベーション「自分で守る健康社会拠点」(東京大学COI)が開発した行動変容促進システム「MIRAMED」を搭載した特定保健指導向けの業務支援サービス「健康支援サービス(MIRAMED)」の提供を開始すると発表した。

 日立システムズでは、「医薬・ヘルスケア領域における中期事業戦略」で健診から治療支援、介護までを包括したサービスの提供により、政府が掲げる連携体制の整備・実現を支援し、健康寿命の延伸と、医療費の削減などへの貢献を目指すことを今年8月に発表した。今回は、この「医薬・ヘルスケア領域における中期事業戦略」の「未病(特定保健指導)分野」で、自治体や法人・健康保険組合が実施する特定保健指導に着目し、アマゾンウェブサービスを利用して、日立システムズの強みである法規制に準拠したクラウド基盤上で、特定保健指導を支援する健康支援サービス(MIRAMED)を提供する。

 健康支援サービス(MIRAMED)は、健診結果や生活習慣に関するアンケート結果などから健康状態や生活習慣関連疾患のリスクを分かりやすく図式化するなどして、特定保健指導対象者(対象者)の気付きを促し、健康意識の向上を図るサービス。また、健康状態や生活習慣の改善に向けた日々の目標設定や達成状況を保健師などの指導担当者と共有し、指導やアドバイスを日々の行動に役立てることで取り組みの継続を支援する。さらに、遠隔面談やチャット機能を活用した非接触での特定保健指導も実施できる。

 これにより、特定保健指導の場所にとらわれず、対象者と保健師などの指導担当者とのスムーズなコミュニケーションを実現する。そして、対象者に対しては同サービスが健康増進のパートナーとして毎日寄り添うことで対象者の行動変容を促す。また、保健師などの指導担当者の負荷軽減、業務の効率化を図ることで特定保健指導継続率の向上を支援する。

 同サービスの提供開始にあたっては、企業・団体の協力を得て実証を重ねた。今後は、遠隔特定保健指導代行を担う東京大学関係者が設立したベンチャー企業であるLiDATとの強固な連携によって、先進的で高品質・高効率な特定保健指導の確立にも挑んでいく。

 さらに、日立システムズは利用者が医療提供のサイクルの中で分断されることなくサービスを受けることができるよう、特定保健指導や産業保健分野などで、学術・研究機関やパートナー企業とも連携してサービス提供を図る予定。オンライン診療や服薬指導、PHRサービスなどを連携させることで、医療情報を一元的に管理し、それらの情報に基づいた総合的な健康支援サービスの開発に取り組んでいく計画。

 医薬・ヘルスケア領域でのデジタルトランスフォーメーション(DX)実現の支援に取り組むほか、日立製作所のLumadaソリューションを迅速に検証・活用できるLumada Solution Hubなどとも連携を図り、健診から治療支援、介護までを包括したサービスによって23年度までに約100億円の売り上げを目指す。価格は、1対象者が年額4800円、1管理者等が年額1万2000円となっている。

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