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急激な円安、IT企業の6割で「マイナス」の影響──JCSSAがDI調査

週刊BCN+ 2022年12月19日 13時5分

 日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA)は12月14日、「第18回 JCSSA DI調査」の結果を発表した。日本を代表するIT企業からなるJCSSA会員のうち、301社を対象として11月に調査を実施。急速に進展している円安が会員各社にどの程度、どのように影響しているかや、コロナ禍から進みつつある経済情勢における各社の景況感が明らかになった。

 急激に進行した円安についてどんな影響を受けているか、では、「非常に大きなマイナスの影響を受けている」とした企業が10.0%、「ある程度マイナスの影響を受けている」とした企業が50.0%と、マイナスの影響を受けているとする企業が6割に上った。一方「非常に大きなプラスの影響を受けている」(1.1%)と「ある程度プラスの影響を受けている」(3.2%)を合わせた、プラスの影響を受けているとした企業は4.3%に過ぎなかった。影響の具体的内容では「輸入に伴う仕入れコストの上昇」が77.0%と圧倒的だった。以下、「消費マインドの低下に伴う売り上げ減」(27.9%)や「為替差損」(23.8%)などがマイナスの影響として大きかった。一方、プラスの影響は「為替差益」(15.6%)、「輸出品の売り上げ増」(5.7%)、「海外資産の相対的価値上昇」(4.9%)などがあったが、いずれもわずかだった。

 景況感判断については、「景況感の現状判断DI」は0.0とマイナスにこそならなかったが、前回(2022年5月調査)比では-2.0ポイントと後退。「半年前との景況感比較DI」は4.8で、前回比-6.3ポイント。「半年後の景況感見通しDI」についても前回比-8.5ポイントの4.1といずれも後退した。さらに「新卒採用DI」は12.6(前回比-12.0)、「中途採用DI」は34.2(前回比-16.6)と、比較的マイナス幅が大きく、コロナ禍からの回復の足取りにややブレーキがかかった。今回最もDIが高かった「賃上げDI」も、前回比-5.4ポイントと後退。一方「賞与DI」については、+0.2ポイントとわずかながら前回を上回った。また「次期設備投資DI」については、前回比-0.8ポイントと後退したものの、マイナス幅はわずかだった。JCSSAでは、コロナ禍の影響は弱まりつつあるものの、依然先行きの不透明感は継続しており、DIの後退に結び付いた、としている。

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