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ネットワールド、キンドリルのプロジェクトで「Evergreen//One」を国内初納入

週刊BCN+ 2024年4月25日 14時29分

 ネットワールドは4月24日、キンドリルジャパンが手掛ける大手流通業の基幹システム向けストレージ基盤の刷新プロジェクトで、Pure Storageの高性能オールフラッシュストレージ「FlashArray//X」を、サブスクリプション型の提供方式である「Evergreen//One」で納入し、本格稼働開始したことを発表した。Evergreen//Oneを導入した国内初の事例となる。 キンドリルは、世界60カ国以上で数千の顧客にサービスを提供する世界最大のITインフラサービスのプロバイダー。Pure Storageを含め幅広いグローバルアライアンスを活用し、顧客の重要なシステムのデザイン、構築、運用に取り組んでいる。

 今回、基幹システム用ストレージ基盤の刷新プロジェクトを実施した流通業の顧客は、2017年から18年にかけて導入したストレージ基盤の保守期間が終了するため、リプレースが急務となっていた。キンドリルジャパンは、ハードウェアの買い替えによる多額の費用負担、リスクをともなう移行作業やシステム停止のための業務調整は顧客にとって大きな負荷となることから、安心して長く使用し続けられるストレージ基盤を提案することをポイントとしてソリューションの選定に着手した。

 既存のストレージは、Oracle DBをメインに動かしており、Storage IO負荷と応答時間に関する要求が非常に高いことから、ハイエンドのフラッシュストレージを使用していた。新ストレージにも同等以上の性能を有することが求められたが、高額になりがちな高性能ストレージの導入・保守費用をどう抑えるかが課題となった。

 これらの要件を満たす新しいストレージ基盤として、高性能オールフラッシュストレージFlashArray//Xの従量課金型サブスクリプションモデルEvergreen//Oneを選定。Evergreen//Oneは、リソースを使った容量分だけを月額料金で支払うSTaaS(サービスとしてのストレージ)で、ハードウェアを購入する場合と比べて、複雑な物理設計サイジングや多額の初期投資が不要となる。

 さらにPure Storageのストレージは、アップグレードを無停止で行うことができるうえ、3年ごとに最新コントローラーへの無償交換が提供されるプログラムEvergreen//foreverにより、一般的なストレージ製品に発生する数年ごとの定期的なリプレースからも解放され、最新のストレージを長く使い続けることができる。

 また、Evergreen//Oneにはリロケーションプログラムが用意されており、移行期間中だけ安価なコストで2台持ちレプリケーションを行うことができる。将来、設置場所の移動などが発生した際には、移行作業は新旧の環境を切り替えるだけで、安全かつ短期間に実施できる。

 新ストレージは、23年6月に搬入・設置が完了し7月から移行作業を開始、12月にすべての移行作業が完了した。処理性能は、オンライン/バッチのいずれも、旧フラッシュストレージと同等から半分以下の応答時間に改善され、とくに災害対策用に実施しているテープバックアップは、従来の約20時間から約14時間へと大幅な改善を図ることができた。

 コスト・財務面でのメリットは大きく、買い切り型調達のように多額の初期費用を確保する必要がないうえに、面倒な固定資産管理作業も不要。ハードウェアの老朽更新にともなう諸々の費用などもカットすることができる。

 類似のサブスク型サービスのなかには、圧縮・重複排除後の容量をベースにするものがあり、そのほうが一見安く見える場合もあるが、圧縮・重複排除の効果を予測することは難しく、想定通りに効かなければ追加投資が必要となる。逆に、効き過ぎていたら過剰投資だと評価されてしまうことを考えると、圧縮・重複排除に関係なくサーバーから書き込んだ容量を課金ベースとするEvergreen//Oneのほうが、シンプルでわかりやすいと評価された。今後は、更新時期を迎える他のストレージも、Evergreen//Oneへと順次移行する計画で、災害対策用のバックアップ先もテープからオブジェクトストレージへ変更する予定。

 ネットワールドは、今後、ストレージの導入・運用コストの最適化、柔軟な運用を実現するためのソリューションとして、Evergreen//Oneを積極的に推奨していく考えで、Evergreen//Oneの専門チームを立ち上げ、新規案件の相談に対応できるよう支援体制を強化した。また、Evergreen//Oneの日本語対応保守窓口も開設する予定で準備を進めている。

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