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ネットワールド、福岡ひびき信用金庫がWasabiクラウドストレージを採用

週刊BCN+ 2024年8月30日 14時52分

 ネットワールドは8月29日、福岡ひびき信用金庫の2次バックアップシステムの再構築プロジェクトで、ネットワールドの提供する米Wasabi Technologies製クラウドオブジェクトストレージサービス「Wasabi Hot Cloud Storage(Wasabi)」が採用され、本格稼働を開始したと発表した。 福岡ひびき信用金庫は、バックアップアプライアンス「Rubrik」を用いて、情報系システム群を収容する仮想化基盤やOracle DB、ファイルサーバーを1次バックアップしている。2次バックアップについては、従来はRubrikとは別にテープを利用して遠隔地保管していたが、近年のデータ量の急増により、テープへのバックアップが1日で終わらなくなっていたことから、2次バックアップシステムの再構築に着手した。

 2次バックアップは、ランサムウェアや自然災害などのリスクに対応するために重要であるが万一に備えるシステムであることから、できるだけ投資を抑えたい意向があった。そして、ストレージ装置による遠隔レプリケーション、各社のクラウドサービスなどの検討を経て選定したWasabiは、Amazon S3互換で、大手クラウドのサービスよりも低コストで利用できるうえ、高い堅牢性と高速のデータの書き込み/読み込みパフォーマンスも確保しており、既存のRubrikとの連携にも対応している。

 選定に当たり、同金庫のITパートナーであるQTnetにヒアリングした結果も、Wasabiは優れた性能と信頼性を有しており、従量課金制と容量予約制の二つから選択できるなど、先々のコストを抑えるうえでも有効なソリューションであるとのことだった。

 同金庫では、50TB/5年間分のリソースを容量予約制で調達し、検討時に候補に挙げた大手クラウドサービスと比較してコストを約30%削減できた。現在は、14世代分の日次バックアップを取得し、ファイルサーバーは5年間長期保管用の月次バックアップを別途取得している。バックアップ速度に関しても、10GbE回線で実測値として6Gbpsほど出ており、ファイルサーバーについては1時間おきにバックアップを取得することが可能となった。2次バックアップが1日で終わらないという問題は解消し、テープ交換や遠隔地への輸送/保管といったテープバックアップにまつわる作業負担が大きく軽減され、約75%の作業工数を削減することができた。

 ネットワールドはWasabiの日本語サポートを提供しており、また幅広い分野の製品を取り扱っていることから、今回のプロジェクトでの後方支援に高い評価が寄せられ、今後のソリューション拡充についても引き続きの支援が期待されている。

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