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セゾンテクノロジー、日清食品ホールディングスが「HULFT Square」を導入

週刊BCN+ 2025年2月3日 15時46分

 セゾンテクノロジーは1月29日、日清食品ホールディングスのデータ連携/分析基盤の構築に「HULFT Square」が活用され、生成AIによる全社統合データベースの分析を導入支援したことを発表した。 日清食品ホールディングスは2019年に全社スローガン「DIGITIZE YOUR ARMS(デジタルを武装せよ)」を掲げ、30年に向けた中長期成長戦略、経営上のリスク、革新的なITの進展などを踏まえ、積極的なデジタル活用による作業工数の削減とデータドリブンの推進に取り組んでいる。

 生産性200%と業務の質の付加価値を高めるため、五つの強化施策として「サイバーセキュリティー」「グローバルITガバナンス」「現場部門主導のデジタル活用」「先進ネットワーク/モバイルデバイスの活用」「“データドリブン”経営に寄与する基盤の整備」を推進している。

 施策の一つである「“データドリブン”経営に寄与する基盤の整備」では、従来の勘と経験から脱却し、データをもとにシステムで分析・検証して判断やアクションを行える体制をつくるため、25年までに社内の膨大なデータを扱い、信頼性が高く柔軟性のあるデータ連携/分析基盤の構築を目指している。

 これまで、日清食品ホールディングスでは、商品の生産や計画段階、出荷・納品・販売まで、RDB、ERP、DWH、表計算などプロセスごとにさまざまな形で、クラウドやオンプレミスにデータが散在していた。

 これらのデータを集約し、活用できる環境を整備するため、データ連携/分析基盤の構築に向けたデータ連携プラットフォームの選定を進めた。HULFT Squareは連携先の豊富さに加え、すでに利用しているファイル連携ミドルウェア「HULFT」との接続性や運用の実績、また、セゾンテクノロジーはデータ連携の実績や知見が豊富であったことなどを評価し、導入を決定した。

 HULFT Squareを導入した理由としては、「豊富なコネクターにより、さまざまな社内システムのデータを『Snowflake』に集約可能」「直感的なUIによるノーコード開発で自社内のデータ連携部分の開発が容易」「HULFTとの接続性や今後導入するツール、既存データなどともデータ連携の親和性が高く拡張も可能」「全社統合データベースと生成AIの活用」といった点を挙げている。

 さらに、日清食品ホールディングスは、全社統合データベースと生成AIを組み合わせ、データ分析レポートの自動作成や、BIツールとも連携し自然言語でデータの解釈ができるよう、分析の自動化・高度化にセゾンテクノロジーと共同で取り組んだ。

 この社内データの参照や分析には技術的な支援としてセゾンテクノロジーが伴走し、自社で全社員がデータを活用し業務改善する基盤として構築した「データ ドリブン プラットフォーム」と、生成AIやRAGを活用して得た知見が生かされた。技術支援には、セゾンテクノロジーのエンジニアを中心とした生成AI活用推進組織の主要メンバーが携わっている。

 日清食品ホールディングスでは、全社統合データベースの導入によりデータのサイロ化が解消され、分析を行うためのデータ連携にかかる時間を従来と比べ約60%削減した。また、生成AIとの連携により、分析レポートの自動生成やBIツールへの組み込みも進めており、共有データによる組織間の円滑なコミュニケーションや新たなコラボレーションも生まれている。

 今後は生成AIを最大限活用し、分析の工数削減や精度の向上に向けたデータ整備、BIツールによるデータの可視化に取り組み、データの探索・分析からインサイト発掘の支援まで、データの価値を最大限引き出す分析基盤を目指す予定。

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