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イヨ・スカイ 6年ぶり日本凱旋 林下詩美をムーンサルト葬「日本に帰ってきたんだと、いとおしく思った」

よろず~ニュース 2024年7月13日 21時10分

 マリーゴールド初のビッグマッチ「MARIGOLD SUMMER DESTINY 2024」が13日、東京・両国国技館で行われた。セミではWWEスーパースターのイヨ・スカイが6年ぶりに日本凱旋を果たし、林下詩美と一騎打ち。イヨが23分1秒、ムーンサルト・プレスからのエビ固めで3カウントを奪取した

 5月20日の旗揚げから、2カ月弱で到達した大舞台。その勢いにふさわしい大物として登場したイヨ・スカイが、日本時代の紫雷イオをほうふつとさせる、殺伐とした戦いを展開した。

 ハンドスプリングで立ち回るムーブで観客を沸かせば、場外へのトペ、自走からの飛びつき式フランケンシュタイナー、場外への月面水爆、スワン式からポストの林下に変形フランケンシュタイナーを繰り出した。林下のラリアット、投げ捨て式の変形ボムで苦しむ場面もあったが、最後はWWEでは禁止技のパイルドライバーからの月面水爆で決着。並外れた身体能力と的確な技術を見せつけ、観客3058人の大歓声を浴びながら勝利の味をかみしめた。

 イヨはリング上でマイクを持ち「6年前、リングはどれほど離れていてもつながっている、と言って日本を旅立ちました。間違いなくこの試合は、奇跡のマッチアップでした。実現してくれたマリーゴールド、WWE、林下詩美選手、ありがとうございました」と感謝を口にした。

 この試合のテーマに〝誰を信じるかは自分で決めろ!〟と掲げられていたことを踏まえ、うなだれる林下に近寄ったイヨ。「その答を教えてあげるよ。それは己自身、自分の夢、あなたを信じてくれる人を信じて、歩み続けてください。その先に大輪の花を咲かせてください。お互いに高め合っていきましょう」と呼びかけた。

 バックステージに引き上げたイヨは笑顔を浮かべていた。殺伐とした試合運びを「意識するところ、見せようと思ったことを全く変えました。完全に日本時代を意識しましたね。今月末にWWEの日本公演があるので、WWEのスタイルはそこで見てもらえると確信していました。ここでは違うものを見せないと、(この日の)チケットを買ったお客さんに意味がない。歓声が起こる間の一つ一つがアメリカとは違って、日本に帰ってきたんだと、いとおしく思いました」と、感慨深げに語った。

 林下に対しては「対角に立った時、私とは性質が違うな、と面白みを感じました。野心やこの業界への意気込みは私と近いかもしてないけれど」と感想を抱いた。2018年にイヨに憧れスターダムに入門した林下とは、その練習生時代、関係者を通じて対面を促されたが、辞退したという。「私はやめときましょうと断りました。選手となって、リングで顔を合わせたいと思ったからです。6年以上たって今日、その日がやってきてうれしく思います」と語り、「プロレスは思っているよりも何十倍、何百倍も苦しい。華やかなことだけでない中で、彼女がいばらの道を乗り越えて、その目標の先に私がいたことはすごくうれしい」と、林下をねぎらいながら喜んだ。

 WWEの一員として世界を巡る中、再び日本の団体で試合を行うことに関しては「私は大歓迎です。そこはプロレスの神のみぞ知るところでは」とうなずいた。「使える技とかは限られているんですよね。仕留めるために出さざるを得なかったパイルドライバーは、WWEでは使えませんから。彼女に引き出されたんじゃないかな。全力を出せました」と振り返った。そしてバックステージに姿を見せた林下と健闘をたたえ、抱き合った。日本がい旋で鮮烈な印象を与えて引き上げた。

 林下は「イヨ・スカイはすごかった。壁の高さを感じましたが、壁は高いほど燃える。初めて試合をして、夢をかなえられました。その点は満足しているけれど、新しい夢ができました。イヨ・スカイを超えて、さらなる飛躍をしたい。どんどん駆け上がっていきます」と誓いを新たにした。「今日の相手はイヨ・スカイではありますが、憧れだった紫雷イオも見られたんじゃないか」と感慨深げに、憧れ続けた相手との初対戦を振り返っていた。ロッシー小川代表は「さすがにイヨ・スカイは別格でしたね。技のメリハリが違う。自分の魅せ方を知っている」と称賛していた。

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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