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「当時の人もかわいいって思ったんだろな」1300年前の須恵器からタヌキの足跡が発見され話題に

よろず~ニュース 2024年8月4日 13時10分

1300年前のタヌキの足跡が発見され、X上で大きな注目を集めている。

「❗️初公開❗️1300年前ごろの『タヌキ』の足跡

掘ったぞな松山2024では、タヌキ(?)の足跡・爪跡のついた須恵器を初公開しているよ🦝前足と後ろ足の足跡がついているんだ。」

とその模様を紹介したのは松山市考古館(愛媛県松山市)の公式アカウント。

1300年前と言うとちょうど飛鳥時代から奈良時代に移り変わる頃。まだ東大寺の大仏も出来ていないかもしれない頃に、ペタペタと出来立ての須恵器につけられたこのタヌキの足跡に対し、SNSユーザー達からは

「まるでタヌキが作った皿みたいでかわいい」
「かわいい
破棄しなかったってことは、当時の人もかわいいって思ったんだろな足跡。」
「猫以外にも足跡土器があるのか (ΦωΦ)」

など数々の驚きの声、感動の声が寄せられている。

松山市考古館の竹政俊一さんにお話を聞いた。

ーーこの須恵器はいつ発掘されたものでしょうか?

竹政:平成15年(2003年)2月から5月にかけ愛媛県松山市の国指定史跡「久米官衙遺跡群」内で実施した試掘確認調査で発見されました。

ーー足跡がタヌキのものと判明した経緯は?

竹政:当館学芸員が愛媛県立とべ動物園教育普及課課長の池田敬明氏と高知県越知町立横倉山自然の森博物館の農学博士谷地森秀二氏に動物の同定を依頼したところ、タヌキの可能性が高いとのことでした。

具体的には肉球の形はネコに近いがタヌキであっても矛盾はしないこと。タヌキは第三指(中指)が第四指(薬指)より前に出る特徴がある。爪の跡と思われる窪みは、ネコ科の場合であればもっと細く鋭くなるが、当該資料は先端部分が丸いのでイヌ科と思われる。キツネは肉球がネコやタヌキに比べて大きく、肉球どうしの隙間がもっと狭くなるはず。ネコ科の場合、爪は普段収納しており、攻撃や木登りの際に出すが、地面を踏みしめただけでは露出しないということでした。

ーー来館者からの反応は?

竹政:みなさん可愛い足跡を興味津々になってご覧いただいています。「この足跡は偶然付いたのか」などいろいろとご質問いただいています。

  ◇ ◇

コメントにもあったが、こうした須恵器が破棄されずに綺麗な形で現代まで残ったことを考えると胸が熱くなる。

なお今回の話題を提供してくれた松山市考古館では現在、愛媛県・松山市連携事業「掘ったぞな松山2024」を開催中。前年度に松山市内で発掘調査した遺跡やその出土品に加え、今回紹介した須恵器が初公開されているのでご興味ある方はぜひ足を運んでいただきたい。

(よろず~ニュース特約・中将タカノリ)

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