「めちゃめちゃこわいみかん2024」と題した写真が話題を呼んでいる。外皮が裂け果肉があらわになった様子は、ゲーム世界のモンスターのようだ。投稿したのは、愛媛県のみかん専門店「のま果樹園」(運営・乃万青果)の公式X。担当者によれば「毎年発生します」と決して珍しい光景ではないという。みかんが“怪物化”する理由を聞いた。
8月23日に投稿された同写真は、4万件を超える「いいね」を獲得。「ギャアア」「ひょえー」「パックンフラワーや!」「リアルパックンフラワーわろたw」「みかんエイリアン」「色違いヴェノム」「ファイアー吐くの?笑」「任天堂さんが動き出すレベルw」などネットの関心をひきつけている。
このみかん、世間一般的に「みかん」と呼ばれている品種「温州(うんしゅう)みかん」ではなく、「甘平(かんぺい)」と呼ばれる希少品種。「のま果樹園」公式サイトでは、シャキシャキした食感、外皮が薄く実がしっかり詰まっているなどの特徴が紹介されている。同担当者によれば、外皮が薄いことが“怪物化”の理由の一因だという。
「柑橘は根から水分を吸い上げて果実が大きくなります。晴天続きで乾ききった土壌に大量の雨が降ると、一気に水分を吸い上げて急激に実が大きくなるのですが、皮がそれに追いつかず裂けてしまいます」。
特に外皮が薄い「甘平」は、急激な実の成長に耐えられず裂けてしまいやすい。そして、裂けてしまう個数は天候次第で決まる。晴天続きも困るが、極端な降雨も避けたい―。「生産している側からすると、ほどよい雨を願っている感じです」と神頼みだ。
裂けたものは切り落として処分する。一本の木の中で、複数の果実が栄養を分け合う仕組み上、裂けたものに余分な栄養が回ってしまわないようにするためだ。
2022年9月、同現象が起こった「甘平」を「めちゃめちゃこわいみかんいた」とX(当時Twitter)で紹介すると大反響。数々の媒体で取り上げられた。それ以来、8~9月には「めちゃめちゃこわいみかん」シリーズの投稿が恒例化。今回の投稿にも「今年もできましたね」「今年も出たわね!!」「『めちゃくちゃバズるみかん』に改名すべきよ~」などのコメントが見られた。
(よろず~ニュース・藤丸 紘生)