日本維新の会共同代表の吉村洋文大阪府知事(49)と、前広島県安芸高田市の前市長・石丸伸二氏(42)が、1日までにYouTubeチャンネル「ReHacQ-リハック-」に出演。石丸氏は「維新のレーゾンデートル(存在意義)というか、根源的な熱量みたいなのがちょっと今、国政政党になって薄まっているんじゃないか」と指摘した。
対談した吉村氏と石丸氏は、初対面。吉村氏は「政治の世界に入った時の最初の気持ちを、石丸さんを見ているとすごく思い出して。“永田町臭”が全くしないじゃないですか。ゼロですよね。本当に石丸さんってすごいな。永田町の古いにおいとか、感覚とかが石丸さんは全くしない」と、石丸氏を評価した。自身が大阪市長に当選した時を引き合いに出し「橋下(徹)さんに推してもらって、橋下さんには実績があって、橋下さんが推す人だからというので僕が市長になった。そこに信頼があって。でも、石丸さんって誰からも応援されてないのに、160万票獲るかと。本当にすごいな」と、石丸氏が出馬した都知事選を振り返った。
石丸氏は「永田町臭というか、独特の力学がある。呼ばれてから出なきゃいけないみたいな。呼ばれてもないのに出て、応援をしてもらうわけではなく、選挙の得票まで結びついたっていう」と説明。「『空気を読みませんよ私…そんなもの知りませんよ』っていうスタンスが僕自身が政治家に求めるものだった。内輪受けをずっとし続けている印象があったので、自分としてアンチテーゼを訴えたかった」と力説した。
自身の政治に対する熱量を示した上で、石丸氏は「正直、維新を見ていて変遷を感じた」と疑問を提起。吉村氏に対して「何か維新が変わったと感じられるのか。それとも不変、心動かずなのか。どういう感じでいらっしゃいますか」と問うた。
吉村氏は「やっぱり軸としてあったのが統治機構の改革なんですよ。日本をどうするかというそんな大きな話じゃないんですけど、大阪の知事ですからやっぱり東京一極集中はやっぱり良くないよねって。大阪っていうのは、大阪府と大阪市っていうどでかいのが二つあって。重なって、二重行政になっていて…」と、提唱する大阪都構想に触れた。
さらに「大阪の力を発揮するために、府も無くして市も無くして、ひとつになって都を創ろう。(東京と)2つの軸になって日本を引っ張ろうじゃないか、多極を成長させていこうじゃないかって軸があって。今もあるんです」と説明した。
吉村氏は「その軸をドカーンと住民投票とかでやる時はものすごい熱を発する。それが最初の橋下さんの時だった。2回目、僕と松井(一郎)さんでやって、2回目僅差だけど負けてしまった」と2015、2020年に2度行われ、反対多数で否決された大阪都構想の住民投票に言及した。その上で「今ちょっと、都構想という看板がないというか難しいという状況になっている中で、熱を持って発するものというのがちょっとボヤっとなっている感じは僕はします。維新の中で。熱源が都構想だったと思うんです。熱源がちょっとなくなっている感じは…思いますね」と、石丸氏の指摘を認めていた。
(よろず~ニュース・杉田 康人)