日本維新の会の藤田文武幹事長(43)が9日、国会内で会見し、パワハラ疑惑が告発された兵庫県の斎藤元彦知事(46)に対し、辞職と出直し選挙を求める方針を明らかにした。この日午後、県議団と兵庫維新の会代表の片山大介参院議員(57)が斎藤氏に申し入れる。
兵庫維新の会執行部、県議団と協議し、方針を決めた藤田氏は「(斎藤氏)自らの辞職および出直し選挙を求める申し入れ…選挙を通じて県民の信を問うということを申し入れることに決めました」と切り出した。
辞職と出直し選を求める理由として「すべての事実認定、百条委員会等、第三者機関の最終調査結果というのはまだ出ていないステージ」としながらも「証言から一定の事実が浮き彫りになってきている。知事としてこの件をマネジメントするという立場として、経営者責任が生じているという判断をいたしました」と説明した。
藤田氏は「(斎藤知事は)県政を前に進めるという発言をしておりますが、県政の停滞を招いているということは事実。辞職をして、出直し選挙を行うことで県民の信を問うということが政治家に許された時の手段。斎藤知事誕生の時に、我々で推薦した責任として判断した」と迫った。
日本維新の会共同代表の吉村洋文大阪府知事(49)が、斎藤氏に辞職、出直し選をするよう電話で説得したことも明らかにした。
党執行部として「斎藤知事が説明責任を果たす百条委員会、第三者機関の調査を見定めて判断する」と述べてきた藤田氏は、結論が出ていない時点での辞職要求に「方向転換するという風に言わざるを得ない。もっと早く辞職を早く求めるべきであった、判断が遅いという批判はある。それについては、真正面から受けたい」と言及した。
藤田氏は、吉村氏が「議会が始まるまでにそうあってほしい」と説得の内容を明かした。斎藤氏はこの日、知事続投に意欲を見せたが、藤田氏は斎藤氏が「我々(日本維新の会)の気持ちや主張というのも聞き置く、ということは聞いております。冷静な判断をしていただきたいということは続けたいと思っております」とした。
一方で「ご本人が議会の開会までにお辞めにならないということであれば、他会派が不信任を出すということであれば、我々は賛同せざるを得ない」と、決断を求めた。
出直し選に打って出た場合、党としての斎藤氏への態度を問われた藤田氏は「一連の問題、そして対処方法についての見解と、どう県民に訴えるかということをお聞きしないことには、判断できない」「我々の中から(対抗馬として)出る、斎藤さんを推薦する、または何もしない。さまざまな選択肢がある」と述べた。
(よろず~ニュース・杉田 康人)