立憲民主党の代表選(23日投開票)に立候補した枝野幸男前代表(60)、野田佳彦元首相(67)、現職の泉健太代表(50)、吉田晴美衆院議員(52)の4氏がこのほど、都内でスポーツ各紙の合同インタビューに応じた。
「アンチ巨人の阪神ファン。一番強いもの、権威と戦うのが好きだっていうのが背景にある」と、虎党を誇る枝野氏。自身をタイガースの選手に例えれば、との記者からの問いに「今の選手?難しいな…」と少し考え、大山悠輔内野手の名前を口にした。
枝野氏は「一番困った時にやっぱり頼りになるんじゃないかな。党が困った時に、頼れる存在になりたい。困った時に頼りになるのが大山って、阪神ファンの間で意見分かれるだろうな」と笑う。
アイドル好きとしても知られる。今の心境を表す一曲に、櫻坂46の「Start over!」を挙げた。「もう一度だけやり直そうなんて思うなら、今しかない。後にはない」と歌詞をそらんじた枝野氏は「ちょうど7年前(櫻坂46の)『不協和音』に背中を押されたように、勇気づけられています」と胸中を語る。
NHK朝の連続テレビ小説「虎に翼」の主題歌で、米津玄師の「さよーならまたいつか!」に触れ「このバタバタが終わって、早くカラオケで歌いたい」と語る。「やっぱり私たちの仕事は、100年後に何を残すか」と思いをはせた。
プロレスファンとして知られる野田氏は、代表選に臨む心づもりを「長州力の心境です」と表現した。
一大センセーションを巻き起こした新日本プロレス1982年(昭和57)10・8後楽園ホール大会での、長州力の「かませ犬」発言を引き合いに出した野田氏は「かませ犬じゃないと宣言して、自らの心を鼓舞して新しい時代を切り開いたじゃないですか。だとすると今、長州力の心境」と笑った。
「安倍(晋三)元総理に対する追悼演説を書いている時にブログで表明して、厳しい批判を受けました。『私は安倍元総理のかませ犬じゃない』と。自虐的なイメージを、プロレスファンじゃない方は取りました。プロレスファンはわかってくれます」と、同意を求めた。
泉氏は「自民党総裁選の候補者の中で誰なら戦いやすいか」と問われ「(小泉)進次郎!」と即答した。「同世代の未来を語る議論であれば、負けない自信がある」と、小泉進次郎元環境相(43)との〝党首対決〟を心待ちにした。
自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件に触れ「立憲民主党が正義の側として勝たなきゃいけない選挙。正義は勝つ、ということを示す戦いにしたい」と、解散総選挙を見据える。
「正義は勝つ…正義は優しいという意味で、ウルトラマンですね。シーボーズという怪獣が出てきた回がすごく好きで…」と、特撮ドラマ「ウルトラマン」シリーズの好きな回を語り、自身が目指したいヒーローの姿を挙げた。
地球に落ちてきた〝亡霊怪獣〟を、ウルトラマンが怪獣墓場に戻すエピソード回を熱弁した泉氏は「シーボーズが何も悪いことをしていないのに、世の中からいわれのない攻撃を受けることの理不尽さと、ウルトラマンが気づいて、見守って、本来あるべきところに戻してくれるっていう物語に感動しました」と、自身の政治姿勢を重ねる。
締め切り1分前に、代表選立候補を届け出た吉田氏。「私もリーダーに必要な決断力を持っているつもりです。もう一つは粘り強さ。1期生ではあるんですけど、2012年から選挙、3回落ちてます。初当選に12年かけて…。何回も落選を経験し、みじめで、人も離れ、言葉に表せない思いもしましたけれども、やっぱり日本の政治を変えたいという思いで立ち上がってきた。粘り強さ、これは人に負けない」と胸を張った。
シンガポール航空の客室乗務員(CA)として勤務。約2年のCA時代を「ドジでノロマな亀でした」と、ドラマ「スチュワーデス物語」の名セリフになぞらえる。
CAの経験は、衆院議員の今につながっているという。「相手の気持ちを考え、その方に快適な思いをしてもらえるか。言葉選びもそうだと思いますし、今この方は、何を求めているかということを考える。何を知りたい、何を聞きたい、何がいまつらい、っていう…相手がどうあるかっていうことに関心がある。それはある」と話した。
次期代表は、23日に都内で行われる臨時党大会で選出される。
(よろず~ニュース・杉田 康人)