歌手のアデルや米ロックバンドのニルヴァーナのMVが著作権の争いを理由に北米のYouTubeでブロックされた。YouTubeはライセンス会社SESACとの契約更新に合意せず、ニルヴァーナの「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」をはじめ多くのMVが米国で再生できない状態に。視聴者には「このビデオにはSESACのコンテンツが含まれています。あなたの国ではご利用できません」と表示される状況だ。
YouTubeはバラエティ誌にこう声明を発表している。「私たちはSESACと既存の契約を更新するために誠実に交渉を重ねてきました。残念ながら私たちの最善の努力にも関わらず、契約期間満了前に衡平的な合意に達することはできませんでした。私たちは著作権を非常に重視しており、その結果SESACが代表のコンテンツはアメリカ国内では利用不可となりました。SESACとは積極的に話し合いを続けており、できるだけ早く新たな合意に達することを私たちは望んでいます」
今回の件で、グリーン・デイ、マライア・キャリー、ケンドリック・ラマー、R.E.M.など何百もの動画が影響を受けている。
しかし、10月1日にSESACがSNSに声明文を掲載。「我々は、SESAC のソングライターと出版社に音楽の使用に対して公平に補償するというYouTubeとの合意に達しました」と報告した。アーティストや関連会社に感謝を表明し「YouTubeとの交渉中、2024年10月1日の契約終了日を前に、当社のアフィリエイターの作品がYouTubeによって一方的に削除されました。YouTubeはこれらの曲をフィーチャーしたビデオを復元するプロセスを開始しました。」と状況を伝えた。
一方、TikTokとユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)は最近、ユニバーサルがAIと著作権に関する懸念により全てのアーティストの楽曲をTikTokから削除。似た状況が発生していた。両者は5月に合意に達し、TikTokは「UMGのソングライターとアーティストへの報酬の改善、彼らのレコーディングと楽曲の新たなプロモーションとエンゲージメントの機会を設け、生成AIに関して業界をリードする保護を提供する」とした。
TikTokを運営する中国のバイトダンス社は、「TikTokによる成長中のeコマース機能を活用した新たな収益化の機会」を約束。ジャンルや地域を超えてUMGのアーティストをグローバルにサポートしつつ楽曲がサイトに復帰することに合意した。
(BANG Media International/よろず~ニュース)