昭和に比べいじめやハラスメントに敏感になった昨今。学校では暴力はもちろん暴力につながりかねない行為にも厳しい規制がもうけられつつあるようだ。そんな中、Xで話題になっているのはある武道家の言葉。
「前夜のプロレス中継観た翌日に学校で普通に友達に試せたのよ大昔は。今そんなことしたらNGでしょ?なら道場で試しなよ。やれる所ほかに無いでしょ?痛みを知れる場所が。だから道場があるの。強くて人に優しくなれますように。」
このポストを投稿したのは、元プロ修斗ウェルター級チャンピオンでありパラエストラの道場を主宰、子供クラスも開設する中井祐樹さん。
その真意は?話を聞いた。
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――中井さんが思う現代っ子の問題点は?
中井:人とぶつかり合うことを過剰に規制されて育ち、また生身の身体よりゲーム機やスマホなど画面上でのコミュニケーションのほうがメインとなり、力の加減がわからないとか、他人との触れ合い方がわからないという子が多いと感じます。
だからこそいじめが陰湿化したり、逆に甚大なダメージを気軽に与えたりしてしまうのかなと。
――人の痛みに気付けないということですね。
中井:だからこそ現代社会には道場が必要なのだとも考えています。武道、武術や格闘技は元来、人を倒したり屈服させたり制圧したりする危険な要素を含むものです。それを平和的な前提で稽古ができるのは、日本が世界に誇れる文化なんです。
私の見解では、武道を始めるきっかけなど正直何でもよく、活発すぎてエネルギーを持て余してしまう子供、そして大人も受け入れてゆくべきだと考えています。
――ポストにあった「強くて優しい人間」とは?
中井:肉体的に強くなれば自信も付き、他の人から認められたり、社会的にもプラスになります。もしなかなか強くなれないと感じても、その修練を通じて学ぶことの楽しさを感じられれば生活に張りが生まれてくるはずです。
武道に向かい合っていれば謙虚にもならざるを得ません。いくら強くなっても上には上がいます。天狗になっていられない世界が広がっているのです。決して一人では強くなれないこと、向上しようとする人を助けることも必要だと知るはずです。それがおのずと優しさに繋がってくると思います。
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SNSには「小学生の頃はサソリ固めやキャメルクラッチを同級生にかけてた」「監獄固めをかけたらすごく痛がっていてでマサ斎藤の凄さを実感した」など、プロレスブームの中育った世代の思い出話も投稿された。日本ならではの学びとしての武道が今後も受け継がれてゆくことを願って止まない。
(よろず~ニュース特約・ゆきほ)