スターダムの後楽園ホール大会が11日に行われ、ゴッデス・オブ・スターダム・タッグリーグ戦では小波&上谷沙弥組と中野たむ&玖麗さやか組が激突。上谷が12分41秒、旋回式スタークラッシャーからのエビ固めで中野から3カウントを奪取。中野が保持するワールド王座挑戦を訴え、12・29両国大会での選手権試合が決定した。
完璧な3カウントを奪った上谷は、マイクを握ると中野に訴えた。「オマエに言いたいことがある。覚えてる?あの日のこと。1年前の5★STAR開幕戦。私は1ミリたりとも忘れてない。あの日からオマエにプロレス人生狂わされたんだよ!」と感情を爆発させた。
23年7月23日、大田区総合体育館大会の5★STAR GP開幕戦。上谷は中野に、約5メートルの高さからプランチャを仕掛けるも左肘を強打。同脱臼で長期離脱を余儀なくされた。リングで「今度はオマエの大切なもの、全部奪ってやる。まずは赤いベルトに挑戦させろ!」と迫った。この上谷の離脱を皮切りに、負傷による離脱者が相次ぎ、スターダム社長が交代するなど、後の激震をものがたる出来事でもあった。
中野はその言葉を受け止め「責任を取って、アンタを正しい道に引き戻す」と呼応。12・29両国大会での選手権試合が決定的となった。
上谷は中野から差し出された握手を拒否し、再びスタークラッシャーを決めると、カラースプレーを怨敵の顔に噴射。ヒールらしく悪態をつきながら引き上げた。バックステージでは「覚えているでしょ。ヒジの脱臼。アレのせいで中野たむにプロレス人生全部ぶっ壊されたんだよね。5★STARを優勝して、年末に赤を取る計画がぶっ壊された」と改めて言及。「一つ一つオマエの大切なものを奪っていくから。中野たむ、オマエを地獄の底に引きずり込んで、奈落の底に沈めてやる」と恐怖予告した。
この日の試合では相棒の玖麗から分断され、孤立する場面が多かった中野。小波の脇固め、上谷の蹴り技、2人の合体技に苦しんだ。両者をまとめてDDTで切り返し、上谷にタイガースープレックスを決める場面もあったが、最後は合体式の前蹴りを許し、上谷の得意技で苦杯を喫した。試合後の上谷がベルトの他に、玖麗にも興味を示していたことから、「大切なもの」に相棒の存在も含まれることが予想される。バックステージで中野は「大切なものは全部自分の力で守ってきた。上谷のことだって、私にとってはたいせつなものの一つ。両国で決着を付けよう」と話すと、相棒を呼び寄せ「玖麗、守るからね」とその言葉をかみしめるように絞り出した。
(よろず~ニュース・山本 鋼平)